2021/10/2観劇
★★以下、ネタバレのみ★★
内容を知りたくない人は読まないでください。
パーライーソーーー
ミュージカル刀剣乱舞 静かの海のパライソ2021
観劇いたしました。
個人的に刀ミュの本公演を観るのが初めてだったので、ずっと楽しみにしていました。
無事の開幕、本当におめでとうございます。
どうか最後まで走りきれますように。
本当は頑張れば双騎や東京心覚とか、現地参戦出来たと思うんですけど、公演発表を受けて、現地でパライソが観たい!と思ったあの日から、はじめての現地観劇はパライソにしたかったんです。
刀ミュ本公演、初現地!
本公演です。刀ミュ現地のはじめは歌合でした。ジャニーズのライブみたいな感じって言われて臨んで、蓋を開けたら神事だったのでびっくりした記憶が新しいです。
今回は本公演の!初現地です!!!
ね。
(察せられるかもしれませんがここまでは観劇前に打ってます)
パライソってなに?
なに、ほんと。これは
いや、島原の乱が始まった頃までは、この色々に絡み合って作り上げられた現状が堪らなて、耐えきれなくて泣いてた。
というか正直、そのまま乱が描かれ続けるようなら私は堪らず退出してトイレで項垂れている選択肢すら持ってた。正直。久々に浴びた大音響で揺れてる気がするし床が抜けたらここでも地獄が生まれてしまう、大丈夫ここ地上だから(第3バルコニー)とか、なってた。私のメンタルにダメージよ。
これが歴史を守るということなんだな、と改めて思わされました。
自らの手で用意して、史実の通りにことを進めさせるのだと。
刀剣男士、そりゃあそうなのよね。
人間、今まででも確かに斬ってるんですよね。ズレ始めた歴史を戻すためなら、その対象に例外はないわけなんですから。
そうなんですよね。
肉を斬り血飛沫が舞う音が、現実を突き付けるばかりでした。
本来ならば死んでいるはずのこの人を、自分の手で殺さなければならない
その方向で描く作品が多かったから、錯覚していたのかもしれない。
人の血に染まることについて。
歴史を守ることについて。
そりゃそうなんですよね。
ねーーーーーーーーーーーーーー
ほんと、もう
なに
島原の乱が始まった段階で、これはこうなるべく作り上げられた今、だってそれが歴史、史実、これは史実の通りに島原の乱を起こし鎮圧させるためのもの、と繰り返し念じてメンタルの回復を図っていた女なんですけども
だけどこれ、初めにちゃんと情報共有出来てたら、もっと立ち回り方は変えられていたのでは?と、思ってしまわなくもないんですよね…。
知ったら情が湧いて史実通りに物事が運べなくなるから、なんてそんな危惧からだったのかもしれない。
数多の命が奪われるこの乱でどう動くか、それを話し合いで決める時間が惜しいと思われたのかもしれない。
考えるのは今じゃない、と言うのなら。
でももしそんなマイナスな考えでもって、何も伝えず教えずに、ことが始まるまで過ごさせていたのだとしたら。
なんか、小突いてやりたい気持ちになるんですよね、それでも。知らないならちゃんと詳しく聞いたって良いんじゃなかろうか、ともなるんですが。
今回の鶴丸はこう動いたけど、いつもこんな手段なのかな?と思うばかりです。
鶴丸は、この編成ではこんな荒療治的手法を取ったけれど、他の、色々と経験を積んだ刀たちにも同じ手法を取るのだろうか、と考えてしまいます。
豊前が鶴丸に、松井は向き合う必要があると、自分の思いを伝えるところで、鶴丸が笑うのがとても胸に来ました。
出来なくて、動けなくて、心寄せてしまって。
実際、あの場で出来ることではなかったかもしれないけど、この先、それを糧にして強くなることが彼らには出来るのだと。松井も、豊前も浦島も日向も、この出陣を経て更に強くなるんでしょうね。
その時に、彼らと向き合う鶴丸はどんな手段を取るのだろう。そんなことが頭をよぎります。
背負うものを分け合うことが出来ていたら良いなと、思います。鶴丸が寄らないなら、みんなが寄ってやってほしいなと。
とかね。思うんですけどね。
でも今回、島原の乱に乗り込んだ鶴丸国永は「自分にヘイトが集まるよう動いている」鶴丸国永だから。
報連相に情報共有、意思共有も疎かにされていたけれど、色々、色んなものを隠しての姿だったのかなあと、そんなことも思っています。
その上で、そんな鶴丸の隣に「そうだな」と声をかけ続け、そばにいて、為すべきことを徹底して為してみせた大倶利伽羅が今回いてくれて、鶴丸自身が大倶利伽羅を選んでいて、良かったなあと思います。
「そうだな」という同意。鶴丸を独りにせず、そして己も鶴丸の背負うものを背負おうという意思が感じられて、堪らなくなります。とても優しい言葉だなあと思います。
そして想いの一部を、大倶利伽羅に聞かせてやれる鶴丸で良かった。
強いね、鶴丸国永。強いよ。
強いんですけど、その強さは何があって生まれたの?とも思います。
いやーーーーー鶴丸国永。
なんなの鶴丸国永。
2幕の時、Free styleを見てたらなんか泣けてきて、鶴丸国永見て泣いてました。
曲の最初でわちゃわちゃし始めた彼らに、彼らは現代の審神者にこれらを届けるために時間を割き練習を重ねてきたんだな…とふと思ってしまって。
1幕を引きずる女は、そんなことしてないでいいからあったかいごはん食べてあったまって寝て、とぐるぐるしながら泣きました。おい鶴丸国永お前もだぞ…!て。舞台上の踊りを見るのが久しぶりすぎてガン見してたはずなのに。ふと思ったらそれ以降ずっと泣いてました。
それ以降というか、日向と浦島がおれたちさいきょう、的な歌詞を歌ってるあたりから死んでたんですけどね…
いや1幕で幕府側が乗り込んできた最後のあの時、離れたところへ誘導されていたふた振がその、歌詞、ですか…みたいな。
海へ行く彼らに、見せたくないだろって言う。
それは優しさだと思うんですよ。
思うんですけど、刀剣男士としてそれはどうなの?とも、その時思ってしまっていて。
まるで戦力外扱いじゃん、と。
結果的に時間遡行軍は攻め込んで来ませんでしたけど、人々に心を寄せてしまっている現状から、史実に沿うための任務がこなせないだろうという判断されてしまったようで。
強くなって最強になってみせてくれ、と願うばかりです(とか、ここまで言っておいて歌詞は耳で聞いてるだけなので合ってるかが分からないという違ってたらごめんなさい)※配信されているBe Cool!!を聴いたら「俺たち無敵」でした申し訳ない…………ふた振とも最高に格好良い刀たちじゃないかよ………。
あと豊前なんですけど、なんですかね。最後、松井が目を逸らしてしまったところで立ち尽くしている豊前が、なんだか忘れられないんですよね…。鶴丸の背負うものを自分も持つつもりの大倶利伽羅と、絶妙な感じに比になっているようにも感じられて。
それでも格好良かったよ。鶴丸にあんな顔をさせてくれてありがとう。
だけどやっぱりさ………………みんなあったかいごはん食べよ………あったかくしていて……
松井に浦島、日向のことを思うと、メンタルの話をしているんだ…!という気持ちが顔を出します。
山田右衛門作に担がれた日向も、血をアイデンティティとしつつもその背景と突然向き合わされた松井も、右も左も分からないまま放り込まれた浦島も…。
考え続けるしかないって言うけど、考えるのもしんどいんだからね、無理するんじゃないよ…となってしまいます。
でもな、考え続けながら、今回出来なかったことを次では、次こそ、と強くなっていくんだろうな…とも思うんですよね。
思う思う。豊前も含めて彼らは絶対、格段に強くなる。と、思うんですけどそれはそれ、これはこれ。私がしんどいでしょ…と思っているだけなのでそこはつまり、彼らが不要だとするならば要らぬ心配になるわけなんですけれども。
だけど今は、人と一緒に、あったかいごはんを食べてくださいと願ってしまうよ…
浦島、これからも竜宮城へ誘ってくれるのかなぁとか考えてしまう…にいちゃんたち…
自分をにいちゃんと言い出したの、辛かったなあ。そこまで行ってはいけないよ、お前はひと振の刀剣男士なんだから…
言葉で教え諭すのではなく、体験させて身をもって刻み込ませる。動いてみせる鶴丸も、言葉に出来るけど言葉にせず見守りに徹した大倶利伽羅も。獅子の子落としを実行していたんじゃないかなあと思います。
日向や浦島が集めた人員を渦中で率いたのは鶴丸でしたし。人間相手に攻め込むと走り出した鶴丸に同行する大倶利伽羅が、旗を一振りしてから走り出すの、なんだか堪らなく好きでした。
絶対、彼らは強くなる。
そこは本当にしんじている。
それでも思うのは、やっぱり「三日月宗近と鶴丸国永に任せておけば大丈夫」なんて考えが本丸の共通認識になってしまっているのは、大丈夫なの?という部分で。
以前人から、「独自ルールで成り立つ組織にいるとそれがどんどん普通だと思うようになって、そのルールがおかしいことに気付けなくなる」んだと言われたことがあって、それを思い出してしまいました。
三日月宗近と鶴丸国永が白と言うんだからこれは白、なんて思考放棄みたいなこと、本当にそれでいいの?と。
だから、言いたいことは言ってしまって良かったと思うんですよ…松井……。
ラストで浦島は「鶴丸は強いな」とだけ呟きましたが、鶴丸は強いという理解とは別の、自身の感情は零さなくて大丈夫なのかと、不安にすらなりました。
吐露しないことで理解してみせることで、色んな意味で自身は更に成長するかもしれない。けれどより良い本丸にしていくためには、今回の出陣で抱いた思いや要望なんかは、吐き出したほうが良いんじゃないかと思ってしまうんですよね…。みんなで作っていけたら良いじゃん本丸…。だめなのかなあ。
このままでも良いと判断してるのかもしれないけど、審神者や三日月、鶴丸はこの本丸をどうしたいんだろう。
システムとしての三日月宗近というものが、未だに自分のなかであやふやで。
一回、神様寄りなのかな、というところで落ち着いてみせていたんですけどね、自分のなかで。
システムとしての三日月宗近を、役割を負った命を選んですくい上げていると言う、鶴丸の海へ向けた叫びは、個人的に、分かる…となるものでした。わかる…(ここで言う分かる、は発言内容と近しいものを私が感じたことがある、という方向です)
分かるけど、だからって鶴丸もひとりでやることなくない?となるんですよ。本丸にはたくさんの仲間がいるんだから。
もちろん三日月宗近も。
みんなそろそろ腹割ってぶつかればいいのに。話し合わないかな。思うことがある刀はふた振だけじゃないわけだし。
ところで今回の出陣。出陣先。
今回の出陣先って「時間遡行軍が現れた」時間軸だからなのか、それとも「三日月宗近が干渉した存在がいる」時間軸だからなのか、どちらなんだろうってぼんやり思っていたりします。(これだけの出来事に対し時間遡行軍の介入が少なかったこと、審神者が言葉少なに地名しか言わなかったことが引っかかっています)
余談なんですけど、鶴丸に結局何も言えずに背を向けて歩き去る松井の、袖に捌けてもすぐに足を止めずそのまま歩み進めていっていたところ、個人的にすごく嬉しかったです。奥の壁あたりとかまで行ってくれていたんだろうか。
長く響く足音をずっと聴いていた。その静寂があった、あの間が好きでした。
というか。
せっかくの刀ミュなので、ライブの話。(Free Styleから泣いててそれどころではなかったので簡単に)
一幕を結構引きずっていた女だったので、誰のペンライトを振るのか全く決められないまま始まった二幕。右回りの順番は覚えて行ったのに手が左のボタンを押すせいでちょっと混乱した二幕。
始めの仮面、引き戸板を使った演出。私ああいうの大好きなんですよね…………。あっ好きなやつ…と、そこで随分引き込まれました。
松井のダンスも好きだった。ダンス見るの好きなんですよね。松井のダンスから、ライブを見ているって気持ちに切り替わったと思います。
そして実は購入したランブロで先に見ていたので、豊前の第三形態?あれを目の当たりにしてもあ〜これね〜て思うくらいで済んでいたんですけど、太鼓の時、ちょっと絵になりすぎて目が止まってしまいましたよね…。あれはとても綺麗だった…。
誰よりも歌声に視線を引っ張られたのは大倶利伽羅でした。別のところを見ていても、声に引き寄せられてしまった。最高かな。
日向と浦島のダブルタッチには驚きました。全部決まって良かったし応援し合っているのもとても良かった…。日向の遠くからでも分かるくっきりとした笑顔にすごく癒されました。浦島が結構キレのある踊りをしていて、あの、何度か腕を振り上げながらぐんって力の入ったジャンプ(語彙力と知識がない)をするじゃないですか。あそこの力強さを見ていたら、上記の諸々のスイッチがね、入っていったわけですよ…。
そして私を一幕の頭にもどした鶴丸国永。
一幕で見せた舞も、その音との合わせ方、体の動かし方、本当にすごかったんですよね、彼。
二幕はほんと、歌や踊りの様々に目を奪われる前に、まず鶴丸国永という存在を強く感じさせられました。おかげで2020年から今この瞬間までの諸々や一幕のあれそれを思い返すに至ったのですが。一番のスイッチでした。鶴丸国永。
あと何より戦うモノの鎮魂歌が人間たちに歌われたことが本当に衝撃で…。でも、ここにあるべきだなと思わされました。狂気すら覗かせる者もいるなか、血を流させ流し斃れた人々。為すべきことをやりったと、憑き物が落ちたように穏やかに楽しそうに笑う姿が一幕の最後に描かれていて、良かったなあと改めて思いました。
さて。
この物語を浴びたら、見返したい刀ミュ作品がどんどん出てきました。
見ずに残していた東京心覚も。
どれから見ようか。楽しみです。
…………………次、なに見ようかなあと思っていたんですけど、今までの作品傾向だと、パライソでは描かれなかった物部と交わる部隊の出陣が、今後描かれる可能性は非常に高いわけなんですよね。
そこに三日月宗近がいたらどうしようね…。
静かの海が月にあるなら、その裏側もまた月なわけじゃないですか。
なんて。
思うだけ。
食い気味の「しゃくらせえ」最高だったな。