真白にオレンジ、そして青

書き殴ってくスタイル

朗読劇「はなしぐれ」観劇後の殴り書き

 

 

 

 

 


朗読劇「はなしぐれ」観劇いたしました。

以降、本当にネタバレしかありません、ご注意ください。

 

 


考察にもならない感想文の書き殴り。とっ散らかっているにも程があります。

 

 

 

 


最初見た舞台上のお写真には椅子が2脚しかなくて、この人数でやるのに!?という衝撃がありました。あったんですけどいざ会場に入れば椅子の背後には紗幕が降りていて、話が進めば舞台は神社にも大学にも居酒屋にもなって、紗幕向こうの階段がさらに立体感と奥行きをもたらせていました。真っ先に「あの星に願いを」でスカートに投影された子ども達の姿を思い出して、とんでもないものが来るのではと震えました。実際プロジェクターが駆使されて大活躍で。ね。めちゃくちゃ凄いことになってませんでした!!?大学の中庭みたいなところに佇む恭介の、あの場所の奥行きはなんだと震えました。セットの転換もない朗読劇を見にきているはずだよな………?となりました。朗読劇ってなんだろう、てなっています。言葉で伝える朗読劇なのに主要な登場人物は揃って口下手で。漫画で想いの昇華も描いてそのキャラクターたちも動いて会話して。

でもこれ朗読劇なんですよ。

朗読劇、めちゃくちゃ出来ることあるしめちゃくちゃ表現の幅があるんだな!?て、思わされる本当にすごい入り組んだ、作品だなと思いました。舞台演出がまるで映画を見ているようで、すごくすごく贅沢な体験でした。花びらが舞うし、漫画原稿も舞う。紗幕に雨は降るし文字も散る。朗読劇でこんな体験をしていいんですか!?てなりました。本当に、本当に贅沢…。

 


「はなしぐれ」本編は6月以降の話で、作中でも梅雨入りしたと語られている。徐々に雨の降る日が増えてくる季節の恋を、花時雨という桜咲く頃の雨として描いた、昇華した美波の胸にあるきらめきが大好きです。桜の季節は出会いと別れの季節、とも言いますし。

ね。

ビジュアルの話なんですけど台本めちゃくちゃ良くないです?????

めちゃくちゃに好きです。

マリアにとっての道留がキラキラしていたように、美波の描く世界がキラキラしていたように、儚さときらめきとが詰まったようなキービジュアルポスターとは異なり、少し褪せたようなブラウン一色の台本。私はこの色を初めて見た時に雨の日の境内の色だと思って、キービジュから抱いたふんわりとした雰囲気から一変、地に足つけて観なければと感じたんです。おかげで観劇前の1週間は本当にお腹が痛かった笑

 


「はなしぐれ」1回目の観劇では呆気に取られてしまったんですけど、以降の観劇ではめちゃくちゃに泣きました。いつも違うシーンで。

出演キャストさんたちが口下手な登場人物たちを描くのに、本当に声と、身振りと、表情と。全てを使って物語ってくれるのが本当に良くってですね……………。教えられるんですよなんか、めちゃめちゃに、この台詞をこの表情、感情、姿勢で届けています、ていうのが台詞に説得力が増して。

 


慎介、蘭子の独り言を始めちゃんとそっぽを向いて聞いていて、多分最初の方って何があったか予想はつけてたんですよね、きっと、同郷だから。一切笑いもせず、独り言が進むにつれてどんどん俯いていって、真剣に受け止めてくれるんだけど何も聞いてないって変わらず蘭子に向けて笑顔を作ってくれるところ、すごく良い奴だなあ…となっていました。境内で出会った時の進への声音と美波への声音の違いも、すごく良かったなあとなります。完全に進よりも美波を優先して優しく扱っていて。…今までの彼女のなかにも、そうやって進の隣から自分の隣に連れてきた子とかいたんじゃないの…?とかいう見方が過ってしまいます。頭も顔も良いわけですし。どうなんだろう。「大好きだからさ」から「今までありがとな!」の流れ、めちゃくちゃに失恋として描かれているよね…となって泣けてしまうんです。「何とかする」を受けた後の慎介、進に悟らせないように時には努めて明るく、時には静かに隠しつつも感情を覗かせてしまうところがもうだめです。それでも、慎介が最後暗転したあとに、よーしと体を動かし切り替えるように去っていくところがすごく好きで。きっと進が言ってくれた自分との未来を、現実にしようと頑張っていくんじゃないかな…………と、その表情を見てハッとさせられました。ずっと恋してたんだもんなぁ慎介。

責任、てあるじゃないですか。その事についてなあなあで終わらせず、ちゃんと考えるようにと繋いでくれた店長の岩渕さんも本当に素敵な人だと思いました。本当に。静香さんのお話を溢してくれたから、海流がどうなっていると美波が考えているのかとかも察せられて。岩渕さんみたいに明るく豪快でお父さんみたいなあったかい方が、故郷に帰れないの、何年経っても色褪せない記憶でいるの、愛情に溢れた優しい方なんだな…と思うばかりです。優しいで終わらせられないですよね、いつか遠藤さんと進とお土産の宮城の地酒で、乾杯が出来たら良いなと思います。ところで千秋楽になってようやく、あの文字の動きが炒め、炒め、皿に盛る、だと理解しました……盛り付け分かってなかった……。

遠藤さん、この人が鈴木さんだけの単一キャストだったこと、すごく好きなところです。前作「あの星に願いを」でも中神さんが星羅のお父さん役として単一キャストでしたが、ひとりだからこそ発言がブレないんですよね。それだけで発言に説得力が増して、大事な配役なんだろうなと思わされました。先のことに目を向けて思考を続けている大人として、誰にも寄り添ってくれる遠藤さんはすごく出来た大人で、すごく爽やかです。鈴木さんが持つ清涼感もあるんだろうなと思いつつ、その爽やかさが発言を重くさせすぎないんだろうなぁという印象でした。進ませてくれたと自覚的ですからね、進が。期待を込められたあとの美波への「応援してる」の力強さがもうさ…遠藤さんすごいんですよ。大学の15年先輩で宮城のテレビ局勤務、なんて、じゃあ当時はと考えたらもうキリがないんですけど、後半に出てくる「がんちゃんが静香さん連れてきた日のこと」「東北海の杜テレビ」「長い家出だ」で遠藤さんも宮城県民なのかなと匂わせるまで、バックボーンを明かさず若者を気にかける気さくな大人として存在していたこと、すごく頼もしかったです。

進、そもそもなんですけどサッカー推薦で大学入った人間が怪我でサッカー諦めて自分で見限りつけようとしてるってお前自分の立場分かってんのか……?て気持ちがすごくてですね…。めちゃくちゃ崖っぷちにいないかこいつ大丈夫?てなりました。ヤケかは知らないけれども蘭子からの評価が凄まじくて、キャラを掴もうとしてるところでブラックリスト入りってワードは印象が引っ張られそうだなあ…とか思っていました。まあ、流される人間って評があってのブラックリストはまあな、という気持ちです。というか「酔った勢いで言っていい?」と美波から切り出された進、あの反応は告白待ちしてたよな……?と勘繰ってしまって、お前モテるんだろうなぁとなったのは仕方がないと思います。今までは言い寄られてそのまま、てことだったんじゃないかなあとは思うんですけどね。来るもの拒まず去るもの追わずの姿勢だったんじゃないかなと。蘭子に対しての「あーゆーのタイプ?」「近寄るのやめとこ」「謎に叩かれた」が本当に関心ないんだろうな…と思わされました。叩きながら何を言われてたかとか、聞いてないんだろうなーって。ただ一方で美波との距離感は迷子になると。まじで「ちゃんとしなくてごめん」の台詞がえぐいんよ。でも友人の夢を話すときに姿勢を正す時があったり、「そのうち、何とかする」と自分から未来の話をする時にしっかり前を見て笑顔を見せるようになるの、ちゃんと自分の意思で進むことを決めたんだなという気持ちになれて、良かったです。怪我だってそう、テレビ局にと誘われても「考えさせてください」と、考えるために一度持ち帰ることが出来る人なんですから。進は笑顔が浮かんでるタイプでしたけど、美波と話す時のソワついた感じと、慎介と話す時の気のおけない感じと、店長や遠藤さんと話す時の後輩然とした感じと、同じようで違う側面を見ているようで、どこか子どもっぽいというか、ころころ笑ってかわいらしい人間性を感じられました。そりゃモテる…と納得させられたような心地です。一方で気になる子誘えないんだろ、て焚き付けられて「それくらいできるわ!」て言ってから結果なぜかカタコトっぽくなって飲み行かねと誘いかける進の、やっぱ気になってんだ…感がめちゃくちゃに好きでした。

傘があるのに雨だからもしかしてと境内で雨宿りしてみる進と美波の、お互いがお互いを待っていた感、口下手たちの行動が雄弁でたまらなかったです。

ほんと、すごく口下手な人しかいないんじゃないかな……と思いつつ、だからこそ美波の描く漫画が雄弁できらめいて見えるんですよね…となりました。好きです。というか名前を聞かれた時、海流に重ねていた進の口から「海」て出てきて反応してたんか美波………?自分の名前との関係に掠ったからではなく…?どうなんでしょう、どうなんですか??こういう時に地の文が欲しくなってしまっていけないですね。美波の男に勝ちを譲らない強気なところ、すごく好きです。岐路に立った時にどうしようとまっすぐ進に相談して頼れるところも、素直で素直になりきれないところも。ところでマリアの「今なら死ねるかもしれない」は美波にもそう思う気持ちがあるってことなんでしょうか。兄がそうだったらと、考えていたのかなあ、なんて思います。悲しい思考だからこそ、読み上げる進の冗談めかしたイントネーションが心地よく感じられました。ふざけんなと思ってくれているようで、どこか安心しました。

はじめは進に兄を重ねていた美波が、進を進として意識したのはいつからだろう。私は進の「お兄さんの顔見たいし」の台詞が引き寄せられて好きなんですけど、もっと前のはずで。だんだんと道留を形成するものが海流から進になっていって、海流が慎介のエピソードと共に恭介の姿をしていくの、脚本構成演出の妙……!と震えていました。美波の心の動きを漫画への昇華と共に描くって、凄くないですか。朗読劇ってなんですか?大好きな「あなた」が進ひとりのことなんだと、マリアがそこだけ進に向けて声を張り上げて、今も変わらずに好きなんだと伝えてくる場面はもう、目が覚めるような心地でした。観劇の初回はお兄ちゃんと恭介のキャラクターとしての移り変わりに気付けなくて、マリア心変わり?とか思っちゃってたんですけど、マリアは去っていく道留に向けて、美波は進に向けて叫んでいるのだと分かったので、本当に安心しました。難しかったですね…。でも経験や思い出を込めながらひとつの物語を作る時、1人の人間のエッセンスをひとりのキャラクターにだけ落とし込むのではないと思いますし、自分の体験、思い出を物語の中に生かすには散りばめるかたちになるんだろうなと思うんです。だから散っていても当然というか、当て書きじゃないんだもんな、となるんです。美波も世に出すならと描き替える選択を取れる人ですし。ただ伝えたいものがある。作品として見つけてくれたのは慎介で、本当に欠片を見つけてくれたのは蘭子で。届くものはあるんですよね。

というか花時雨のシーンなんですけど、唯一道留がシルエットに重なって見えなくなる場面あるじゃないですか。しかも足の影を被せてくるから横顔も口元も見えなくて、表情がまるで分からない。道留がマリアへの本気の好意を吐露する場面でそんな演出がされた。この道留に重ねられるのって、進しかいないじゃないですか、美波にとっては。だからもしかしたら、美波にはこの台詞を言う進の表情が、描いている時は分からなかったんじゃないかな…と思えて。そして言わせるこの台詞が進の気持ちと近しいのかどうかも、分からなかったというか、自分で決めるのが怖い部分もあったんじゃないかな…とか、考えてしまって。多分、漫画でもこのシーンの道留の表情は見えないんだろうなと思っています。だからこそ進からの「好きだ」をその目を見て、その表情ごと受け止められて良かったなあと思うばかりなんです。…汐谷さんが28日の昼公演にこの場面に震える感情を乗せてこられてそれも本当に素敵だったんですけど、夜公演にはしっかり聞こえる声で明るくどこか切なげな声音をされていて。美波に想像できなかったものをどれかに寄せさせない、という表現をされたのかなーとか、思っていました。漫画の中で描写される道留に徹するの、すごいですよね。

一方で最後の最後で慈愛に満ちるってくらいに甘やかで優しい声音でマリアを受け止める恭介はいたんですよ。あの声を聞いた途端、恭介本人が優しい人だというマリアの勘は正しいと裏付けされるようで、そしてこちらからしたらお兄ちゃんの鱗片に触れたような気ができたんです。描き始められた頃のお兄ちゃんはそれこそ海流で、美波の理想とも言えるマリアと恋をするお兄ちゃんは世に出すため他者である道留の中に落とし込まれた。そして美波が進や周りの人たちとの関わりを経て、道留は進になって、お兄ちゃんは恭介の中に残った。…………ということなんだろうなあと思うんですけどそのなかでの慎介のアシストがまーーーーじですごくって………………。慎介が初めて美波と会った時の「どっかで、会ったことない?」はナンパじゃなくて即売会で買い手と売り手として会っていたから記憶に残っていた、が真実なんですよね。ただその言葉を取り込んだ恭介はマリアに声をかけてくる。「せっかくの出会いは大事にしよ?」「その分、燃えるよ」て、マリアを狙う男のように描き上げる。慎介が出会った時のあの声音の柔らかさを美波がそう捉えていたなら、そして慎介にその時進と張り合う意思があったのなら。「出会った時から凄かった」には見透かされていた、も乗るんじゃないかな、とも思って。まあ進と2人きりでいて惹かれない女はいなかった、とかの意味かもしれないけれど。で、結局美波にとって知らない人だった慎介から言われた言葉は、事情知る人にとってはお兄ちゃんとの再開を匂わせる言葉になった。誰の言葉だから、ではなくて美波自身の蓄えたエピソードが自分の作る作品の魅力を底上げる、そういった昇華なのかなあと受け取りました。「アシスト決まって良かったよ」に対して、まじで、出版社と繋げたことだけじゃないからな多分!??と暴れていました。(ところで台本に「アシスト決まって良かったよ」「まさか出版社と繋げるなんて」見つからないんですけど書き足しでしょうか………記憶が頼りなの…?)恭介の言う「…もういいの?」「ああ、良いよ」、優しく見守る姿勢を受け取るたびに美波がお兄ちゃんの面影をやっぱり恭介に残したのではと思えてしまって、震えていたんですけど違うんだったら恥ずかしい限りですね………。マリアの言う「道留君ほどじゃないけどね!」めちゃくちゃに好きなんですけど、進をもう選んでいるんですよね…お兄ちゃんが1番じゃなくなってるのが明確に感じられた台詞だなあと思いました。

お兄ちゃん………というか海流。なんとなく流れでと呼びつけて強引には紙一重だと思うんですけど、海流のそれは犯罪なんですよ。実際そういったことは起きていたと聞きますし、悲しいことに記憶に新しいことでもあります。環境のストレスとか色々あったとは思いますが、想像の余地があるというだけとも言いますか。しでかしたことの重大さはきっと分かっているんだなとは思うんです、謝って謝って行方をくらますわけですし。相手自分の妹と同い年の子ですからね…えぐいんだわ。生まれは神戸の海流、2011年で大学生なら1995年には生まれていたわけで、そんな息子が震災後東北の地で行方知れずってご両親のことを思ってしまっていけない…しかも蓋を開けたらこんなですよ。全然関係ないんですけど、生きてるなら怒られる以上の相当な覚悟をして、ご両親には連絡入れてほしいなと、思ってしまいますね…。まあ、とか言ってますけど海流がどんな人物かは直接描かれていませんからね。ただ、美波の大好きなお兄ちゃんである海流はいたと道留が証明してくれているし、大好きになるほどの優しさを蘭子にくれた。それは絶対的に間違いないんですよね。ひとりの人間をひとつの出来事から判断するわけにはいかないのはもちろんですが、なにより美波の気持ちと蘭子の気持ちを受け入れたいなという考えに終着しました。

その人が隣にいたからこそ踏み出せた一歩がある、という印象を抱いたシーンがいくつも見られた今作でした。だけどやっぱり、蘭子は強いよ、とどうしたって思います。強くて優しくてすごい子だと思います。彼女が被害者であることは忘れないしそこに対して海流への怒りもありますが、彼女が何を大切に想って大事にしているのかを何より忘れずに、尊重したいなと思うばかりです。本当に。ただ彼女がお腹殴るのほんとにだめで、もうなんかほんと泣けてきちゃうんですよ。ね、好きなものに囲まれて笑ってる蘭子の笑顔が眩しくて好きです。慎介からの「蘭子」呼びを許しつつも「蘭々」として線引きをしてる、ラストの蘭子の姿が大好きです。蘭子にとって居心地の良い距離感のなかでひとりぼっちにならないままでいてくれたら良いなあと願ってしまいます。


境内で原稿を読んだ進の伝える「また、会えますか?」にはきっと、「未練がましいと嫌われちゃいますね」が含まれていたと思うんです。ただその一方で、漫画でマリアに込めた美波の「また、会えたりしないかな」には返答しているわけで、美波からの未練がましいよねも嫌われちゃうかなも丸ごと進は否定してくれたんだと思っています。書き下ろしのボイスドラマ、元々の台詞がどうだったかは分からないけれど「雨の匂いが消えないうちに、必ず」という返答がめちゃくちゃに好きでした。返歌か!となりました。…なったんですけど、そもそも雨が降ったらまた会えますか?を受けて「神社はいつも雨」をまずぶつけてくる進が強すぎますねこれ………え、強すぎる。ともかく。商業となった花時雨がどんな結末になったのかは分からないけれど、もしかしたらまだ連載中かもしれないけど、それだけで再会ハッピーエンドの気配は読者にだって届いたんじゃないかな、とも思いました。雨の匂いが変わったと思わない?から会話が始まったふたりですから。匂いが変わって、変わって、いつか消える。美波が忘れられなくて忘れようとしていた海流の香り。海流の面影を残していた道留の香りが上着から消えていくのは悲しくて、冒頭のマリアの台詞は少し寂しげで儚げに聞こえたのかもしれない。ラストでもマリアに掛けた上着からは道留の香りが消えていくわけですが、その場面でのマリアの声は明るい。もしかしたら海流からの自立を描いているのかもしれないけど、個人的には匂いが消えていくのが感じられるくらい上着を借りていられて、匂いが消えてきても笑顔でいられるくらい、道留自身がマリアの隣にいてくれているんだろうな、ふたりで幸せになれているんだろうな、という方向で解釈したラストシーンでした。だから美波と進もきっと、そんなハッピーエンドに繋がったんだと信じています。


今回震災被害に遭われた方々にもお話を伺ったと聞きました。色々なお話があって、色々な想いがあって、色々な被害があったのだと思います。作品やキャラクターに反映させるうえで拾えきれなかったものもあると思います。自分たちが朗読劇「はなしぐれ」を観劇しどこまでを受け取れているのか、そして描かれたもの以上にどんなことがあったのか、起きているのか。そして震災のことだけではなく、ものを作り上げることについて、自身で考えて前に進むことについて、性犯罪について、自分なりにでも色々と考えていかないとなと思っています。

そして今回は本当に、台本があって役者が演じてセットと音楽と演出で世界観を作り上げた、舞台って素晴らしいな…!と力強く思わされました。だって台本だけでは、芝居だけでは、演出だけでは恭介のなかにお兄ちゃんの気配を感じられることはなかった気がするんです。「はなしぐれ」が朗読劇として創り上げられたこと、それを観劇できたこと、本当に嬉しく思います。こんなにも台詞から、演出から、声音や表情から想像を膨らませ物語を考えることが出来ました。本当に、とても楽しかったです。

 

朗読劇「あの星に願いを」観劇直後から先色々の殴り書き

 

※ネタバレしかありません※

「あの星に願いを」、今作で初めて出会いました。2023年5月27日の3公演(シリウスプロキオン→ペテルギウス)を観劇。書くにしてもどうしたらいいのか分からなくて情緒が乱れまくっていた当日の悲鳴も一部そのままに。ただの感想を書き連ねているだけです。台本は手元にないので、台詞やら文脈やら重複箇所やら、おかしいところは見逃してください。

お目汚し失礼します。もう笑ってくれ。

 


シリウス終演後

この物語、浴びながらどう分岐するんですかってずっと、思っていたんですけど、いや、祈ることしかできないよ??????

初っ端から裕介が引きこもっていたっていうんです、星羅がしんだっていって

裕介を演じる狩野翔さんが、まっすぐに背筋が伸びる方でとても元気に綺麗に笑う方だと知っているからこそ、終始背中を丸めた姿勢で縮こまっているのと、冒頭の笑おうとして笑えていないぎこちない笑顔がとても脳裏に焼き付いてしまってダメでした。

学生軸の彼らを身体で表現してくれるアンサンブルさんたち、動きと声が一心同体になってひとりのキャラクターとして形作られていくの、本当に良いなあって、素敵だなあって思っていたんです。台詞に合わせて口が動いているのも見ることが出来て、ああアンサンブルなんて名前、勿体無いなあって思ったりもしたんですがたすけて

現在軸に戻って健吾と莉緒の後悔と、抱き込んで前に進む姿を描いている間に、気付いたら裕介がね、台本のページをひたすらに捲ってるんです。どこを見つめているのって思うくらい時にはふと手の動きを緩めながら、進むのを躊躇わせながらページをめくって、本編軸に戻った時に「ずっと思い出してた」て言うんです。星羅のいた時間を、あの時の日々を思い返していた、忘れないように思い返していたって言うんです。繰り返し繰り返し、あの日々のことを考えて想い続けて、「3回目」て弘美さんの言葉、何の言葉を受けての3回って、裕介の「もうやめたい」で。ある意味星になったひとが3回目ってその言葉を受け取るのほんと、それが君の願いなの、てこと….???裕介は星羅にもう一度出会えて、その手を捕まえることができてからやっと流れ星を見つけられたのに。願いとして「まだ間に合うよな、星羅と最後まで一緒にいるのが自分の願いだから」とかなんとか、言って、自分の答えを見つけたというのはあると思うけど、裕介、また、もっと莉緒も健吾も後悔して、苦しむと思うんだ。だってそれしかないじゃないですかこの結末、ふたりともきっとなんで1人にしたちゃったんだって、もうそこからじゃん。ふたりは「またね」て言ったの、またねって、また会おうねって、きっとこの先も地に足つけていてくれるようにと願って。今日、この順番でこの物語を浴びれられて、良かったなあって、ほんと、祈ってるからね、思えるって。本当に助けて、莉緒を健吾を小松先生を星羅を裕介を助けてください、本当に、星は誰かの命だけじゃないんだっておもわせていただけたら、私はとても、とても嬉しい…

風太、先輩たちのことをよくみていて、星羅のことをよく見ていて、でも踏み込んではこなくて、いや真っ直ぐでプライドが高くて強いって、本当に、本当じゃん……………って頭を抱えることしかできなかった。ふうた、たすけて、もうそれしか言えなくてわらう、風太にですか???わからない、いや、むりじゃん、たすけてまじで、どうすれば良かった?どの時にどういう選択肢をしていたら良かったの?????

星羅とおなじ「大好きだったよ」を遺して星羅のもとへ逝ってしまった裕介。裕介に生きていてほしかった、というのとは気持ちとしては多分どこか違う、どう生きてほしかったんだろう、て思うんですけど、だからさあ、なんで

全部全部間に合えよ!!!!!!!!!!!

っておもうんですよ本当に今その気持ちでいっぱいなの本当に、本当にたすけて

でも星羅の性格上、裕介の性格上健吾の、莉緒の風太の小松先生の性格上、どう、どこで、どうしたら結末がかわったのか、生きていけない心地ですごい、どうしたら間に合ったの、今まじですごく息苦しいから本当に助けてほしい、でももうやだて、やめたいって言いたいけど言えない、言ってはいけない

ねえ、すごい体験だったといえば、それはそうなんですけど、それどころじゃなくて、たすけて????????って気持ちでいっぱいすぎて、動悸がすごい、息がつらい

あ?????なかのふうたってびょういんのこじゃないよね???????????「星羅を返しなさい」が的外れではないとかだったら泣くが????????????????

こんなにたすけてしか言えない感想ある、あるわ、泣いてる

裕介、狩野さんが途中から涙声になって鼻を啜る姿もあって、濱さんも目頭を押さえていて、もうその姿が印象的で。

星羅に手を伸ばして暗転して、落ちた音、裕介はやっと告白して、客席に灯がついて2人はそこで死んでいて公演終了アナウンスと退場アナウンスがながれてふたりをそのままに退席しなきゃいけないの、こう、あの静寂、あの誰も何もいえない、聞こえるのは鼻を啜る音と衣擦れだけ、ていう、拍手しようにも、したらすごく虚しくとけて、あの静寂を自分が体験することになるとはと、いう思いは思いとしてあるんですけど、ねえプロキオン信じてるからね???????って気持ちがすごく暴れていますたすけて、ほんと、本当にお願いします。


劇場を去る時、こうして文字を打ってる時は息苦しくなっても心臓バクバクしてても表面上平気だったのに、次の公演に入る友人の顔を見た途端泣き出したからほんと、ほんとね。すごい公演だったなあ、シリウス、そしてプロキオンほんと、信じてるので…お願いします吉岡さん…………


プロキオン終演後

「病院に鍵忘れたみたい」でアッてなった。ふうた、君はいつから星羅を知っていたんだい…………………。

先生も風太も色々と気付いていて、それぞれ父娘に手を差し伸べようとしていたけれど、どのルートもそれだけでは分岐はおきなくて。過去は過去、変えられるのは今この先だけ、というのはもっともなことで。だから変化が起きるのが「なんでうそついたの」に対しての「見栄張っちゃった」て答えてからなの、ほんと、本当、星羅!!!!!!てなった。裕介、星羅はすぐ他人のせいにするってやっと踏み込んで怒ってたけど。そうなの、そうなの。もう居ないから遅いんだけど、遅すぎたんだけど、星羅が裕介を前に素直になってやっと、やっと変化が起こるの、起きたの、裕介の踏み出す一歩という分岐点に間に合ったの。会いに行くよが自分も逝くよじゃなくて星を見上げるよ、星羅という星を見に行くよになるの、ねえ、ひとりで星羅の元に逝った裕介が、仲間みんなと星羅という星に会いに行くの、本当によう……………もう涙が止まらなくて止まらなくてやばかったです。

分岐点になった星羅の台詞が弘美さんの「女の子は嘘ついちゃういきものなの」的な、いわゆるはぐらかしの言葉から、「見栄張った」ていうそのまま、ありのままの素直な言葉に変わったということに、そうなんだ、て裕介が飲み込めたことに、もう、なんか小松先生の「俺みたいになるなよ」を思い起こされて、こんな真っ直ぐなやり取り、先生にも届いてくれ…………となりました。先生の言う「俺みたいになるなよ」は、きっと手の差し伸べ方、差し伸べる先のことだとはおもうんですけど、だけど弘美さんは、見栄を張らない言葉を先生に伝えられたのかな、そうだったら良いなと思うなどしてしまって。遺された先生の瞳からは、こう「間に合わなかった」感も感じてしまって、人間、ひとりと向き合うだけじゃないもんね、複数に目を向けて生きていかないとだものねと思ってしまって苦しかった、難しいよなあって。でも今やっと地に足をつけた裕介が、前に進む莉緒が学校に留まる健吾がいるから、先生にももう少し、この先光が差せばいいなあと思います。本当に愛おしい夫婦だったので…私絶対大好きなので小松夫妻…。ほんと、小松夫妻の結末が変わらなかったのはだいぶ苦しくてたまらなかったなあ、

星羅の言葉からルート分岐を察せられてはいたけれど、舞台上にみんなが戻ってきてくれた時がね、本当に本当にやばかった。どうかどうかと思っていたから、物語の流れが変わったとラスト舞台に再びライトが戻ってくれた時、やっと確信できたから。もう、ルート分岐から規制退場の順番が来るまで泣きすぎてぜーはー言ってたんですけど、終演後、なんか舞台袖の奥が賑やかで、それも嬉しくて全然涙が止まらなかった。嬉しかったなあ……。

 


ペテルギウス公演を経て色々考えるようになって以降、割とずっと小松先生と聡さんのことを考えています。小松先生に「馬鹿」な面があることについて。考えていた理由は本編観劇中に、小松先生からの聡さんへの態度の理由が分からなかったから。病院のシーンでの「心配かけちゃうからお父さんには伝えないで」と言われているにもかかわらず「あぁお父さん、…え、向かってる?…お父さん!こっちです!」な流れの、あの、お父さんに呼びかける先生の声音。なんでお父さんを見つけて明るい声が出るのかと、ずっと考えていて。その声は2年前の初顔合わせな面談の頃から、聡さんの利き腕の包帯を見つけてから出るようになったような気がする。もし、その時の怪我が聡さん自身によるものだったとして。小松先生はその可能性に気付いて、また面談しましょう!と声を掛けたのではないか、健吾が踏み出せなかった一種のきっかけを、見落とさずに手を伸ばしていたのではないか、そう考えるようになった。

小松先生には申し訳ないのだけれど、以前の作品に先生が出ていてその際に掘り下げがあったとしたら見当違いも甚だしいことかもしれないけど、今作だけを見た人間が考えたことがふたつ。ひとつはもし先生が、鈍感という馬鹿だとしたら。小松先生は弘美さんのたくさんの嘘のなかから本音を探してると言うけれど、人間たくさん、嘘つくじゃないですか。先生に星羅の嘘、効きすぎてるんだよなぁと思って。なんで疑われなかったんだ星羅、て。嘘が分からないというか、見逃してあげてしまうというか、疑えないというか。先生がバイトのことを掘り下げなかったのは山口家の生活面をいくらか把握していたからだろうし、夏服がないのも「購入していないから」と把握していたから納得していたんだろうし。だからバイトのし過ぎを信じてしまえるし、3年間を冬服で過ごすことに触れずに来れてしまった。先生という立場からして、その辺に踏み込めていたらもっと、違う物語が待っていたのかもしれないと思ってしまう。まぁお下がりなんかはどうだと先生が言ってみたところで、冬服かわいいから気に入ってるとか星羅に言われたら、その壁に気付かず気に入ってるのかそっか、と思って引き下がる可能性はあるかもしれないけれど。そして小松先生に対して思ったこと、もうひとつは面談後の聡さんに小松先生が自身の未来を重ねてしまっていたとしたら、ということ。すでに入院していた弘美さんの病名や症状は分からないけれど、もしあの時点でこの後自身に訪れるだろう別れや喪失感を、聡さんのなかに見てしまっていたら?親として娘への愛情があることを知れた時、その利き腕の怪我にままならない現状への苦しみと妻の喪失、愛情を見ようとしてしまっていたら?この人に手を差し伸べられたらこの人を支えられたら自分は、なんて思考が無意識にも働いていたら?とか、なんとか。もし小松先生が山口聡を星羅の父親としてではなく、なり得るかもしれないこの先の自分として接している部分があったとしたら、現在軸での「(大丈夫だとは思うけど)俺みたいになるなよ」に、相手に自身を投影するなよ、の意味も含まれてしまうのではないかとも、考えてしまった。

だからどうにかして、長谷川さんと笠間さんの解釈聞けないかなーーーーーーって気持ちになります。小松先生のことをどう解釈して寄り添っていたのだろうかと。長谷川さんの小松先生は、先生然としていながらも親しみやすさがあって、だからこそ現在軸になった時健吾との会話で一歩引いたような距離を言葉端から感じてしまえた。笠間さんの小松先生はおちゃらけているというか、星羅が弘美さんに言った「そういう友だちいる」が健吾を指すんだなって瞬時に理解させられるような存在だった。健吾に近しいを一貫して感じられて、だからこそ「俺みたいになるなよ」に含まれた小松先生が危惧する健吾の姿も想像させられてしまった。…そんな小松先生がいるシリウスまじで本当にしんどかったんですよ笠間さんの小松先生、健吾には手が出るのほんと、ふたりの近しさを感じてしまって…。お二人は小松先生をどう考えて演じられていたのか、知りたすぎてたまらないのでほんと、どうかどこかで知ることができたら嬉しいなと、思うばかりです…。

健吾の責任感、後悔は、星羅への違和感を見えていたのに踏み出せなかったからだと言うけれど。「お前が殺したんだ」と叫ぶけれど。人間同士のすれ違いって、時折もうどうすることもできないよね…と頭を抱えてしまう。それでも次がないよう助けられるようにって教師になって努力し続けていられるの、ほんと、健吾は凄い男だなあとね、思ってしまいます。ただ後悔を抱いて10年歩んできた健吾には、まじで自分を大事にしてほしい。現在軸の様子から、おそらく莉緒に告ってすらいない気がして、全部全部胸に抱いたまま掲げた願いのために走ってきたんじゃないかと思うから。成功体験といったら言葉はきっと違うけれど、プロキオンで裕介が前を向いて歩き出してくれたから、多少、ほんの少しは、健吾自身の幸せについても考えてみてほしい。「青春を取り戻せ!」は健吾が口にしていた言葉なんだから。ほんと、だからこそシリウスで遺された健吾のことを思うと、本当にキツくて、苦しかった。手紙は渡した、だけど自分の言葉も想いも、本当に誰にも何も届かなかったじゃん、て。察するだけの虚無ですよ、そんな気はしていたのにの虚無ですよ、しんどすぎでは????本当に、シリウスの健吾はしんどい。ほんとにな…。そして舞台はなまものだな、とまず思わされたのは健吾だった。シリウスプロキオンの両ルート、分岐点以外でも印象が変わったのは濱さんの動きがあったからだと思う。「ようこそ我らの楽園へ」とシリウスで仰々しく手を挙げてお辞儀してみせたのは濱さんだけだったけれど、プロキオンでは野本さんもお辞儀を合わせて健吾の台詞としてくれていた。シリウスで俺たちの友情を信じて拳を突き出した健吾に「どうかな」て同じく拳を突き出したのは星羅だけだったけれど、プロキオンでは莉緒も、裕介も拳を並べてくれた。分岐点ではなかったけれど、シリウス後の自分には心が寄ったように感じられて、本当に大好きな変化だった。

私が見た本編公演では、莉緒が公演違いでふたりいらっしゃって。濱さんの演技が、健吾の元気さが変わるんですよ。濱さんだけじゃなくてあの4人組の空気感が変わる。キャストが変わることの醍醐味だなーって思いました。一村さんの莉緒の溌剌さ、感情が乗る言葉の揺れ具合はもう恋する気持ちに精一杯って思わされた。「今なら言える気がする」「もう待たない!」勢いに説得力しかなくて、大好きだった。私こんな良い女じゃんって健吾にブチギレる時、一村さんに合わせて椅子にダンッて勢い良く足を乗せる祐花さん。磯部さんの莉緒は、もう「尽くす系だよね」って言葉の説得力がすごい。そして心のどこかで恋を諦めているように、OKをもらっても信じきれていないように思えてならなくて苦しかった。莉緒としての緩急の使い方、表現の仕方が全然違って、小松先生とはまた違った意味で、一村さんと磯部さんにはどう莉緒と向き合って解釈して作り上げていったのか、祐花さんも交えて聞いてみたいなあという気持ちです。というか恋心を知ってから聞く「作りすぎたクッキー消費したいし」ってどう思います??言って帰ってから作ってたらかわいいが増すよね…。あと裕介の好きな飲み物がコンポタっていうね、オリオン座が見えるようになった2学期のはじまり、自販機にあったか〜いが並ぶのも9月10月頃じゃないですか。莉緒が裕介の好みを把握したのは今年じゃないんだろうな、自販機に並び始めてすぐ気付いていたんじゃないかなと考えると、たまらない気持ちになります。

ところで私、莉緒に対する星羅の「(裕介が歌上手いこと)知らなかった?」がめちゃくちゃに突き刺さっていて。幼馴染マウントというか、もう、星羅!!!てなった。もう、裕介のことが好き、なんてかわいい言葉じゃないんじゃないかって、そんな言葉じゃ足りないんじゃないかって思わされる台詞だった。そのやり取りで莉緒は裕介が好きなんだと察せられたし、星羅から向く裕介への気持ちの大きさも感じられた。星羅の強さって分かりにくいなと思っていたんです。強いのは分かるんだけど、その強度というか。南さんの星羅はとてもハキハキしていて、風太のいうまっすぐで強い人という印象を裏付けるようだった。その一方で荒井さんの星羅はどこか静かな部分があって。もしかしたら心も身体も限界だけど、声だけは元気にと振り絞っていたのかもしれない、とか考えてしまった。莉緒と付き合うようになって病院に見舞いも来なかった裕介、星羅はたぶん自分からの留守電なんて聞かないと思ったんだろうな。触れるのが怖いものには触らないのが裕介だと。思ってやっと、聞かれないという前提があってやっと、「やっぱり寂しい」を溢せたんだろうなあとか、思ってしまって。聞かれない留守電ってほぼ独り言のようなものだし、手紙のような一方通行のメッセージだからこそ、溢せたんだろうなあとほんと。聞かれてたら言えなかったんじゃないかなあ、星羅。強いというか意地っ張りというか、素直になれない器用すぎて不器用な子だなあと、思ってしまった。それはもちろん、環境のせいもあるんだろう。強くいないといけなかったんだろう。掴めるようで掴めない裕介、お互いが踏み込めなくなっていたのは痛いよなあと考えてしまう。プロキオンで最後「見栄張ったゃった」と裕介を前にして素直になれた星羅。シリウスでそれと対にあるのは、星羅の元へ行く一緒にいたいんだと想いを叫ぶ裕介への「いいの?」だったんじゃないかなと思っていて。来てくれる、がどういう意味かを分かった上で、それでも一緒にいたいという想いが表に出たまっすぐで素直な言葉。かなしいけれど、とてもとても綺麗に響いて聴こえた。

聡さんは、もしかしたらお母さんを失ったことを一緒に悲しんでくれる星羅が、あの時どうしても必要だったんじゃないかなあと、思えて。『裕介の思い出』で見えた昔の聡さんは、裕介にも優しく接する星羅のお父さんで、奥さんを亡くしている陰が見えない印象だった。それが一気に崩れる「星羅に何言ったの」を私は今井さんのお声で聞いたけれど、あそこに居たのは中神さんが演じるのと同じ星羅のお父さんだった。きっと聡さんも我慢強い人だったんじゃないかなあ、とか考えてしまう。星羅は心のどこかでずっと、優しいお父さんを信じていたようだし。ふたりは似ているんじゃないかな。だから幼少期に屋上で迷子になったあの日、何かが動き出して二人がすれ違うことになってしまったのかもしれない。「違う、俺が殺した」という裕介の言葉の重みが増してしまったように感じられた。いやだって星羅を元気付けたくて言った星羅のお母さんはお星様になってそこにいるよ、がお父さんにとっての地雷だなんて分かんないじゃないか…。お母さんがいなくて寂しいと泣く星羅のために、聡さんは強くあろうとしたのかもしれない。頑張っていたんだろうな。だけど裕介が星羅に寄り添って、お母さんの死に星羅が一区切りつけてしまったから、親子ふたりの方向性というか、見ている先が変わってしまったんじゃないかなという印象でした。裕介、頑張って星羅を笑顔にしたのにお父さんからあの無機物みたいな声を浴びることになるの、そりゃ山口家に踏み込めなくなるよ…と思ってしまった。あの無機質な声、怖いんだけど、でもそれは警戒心なのかなとも感じていて。きっと聡さん、勝手に組まれた面談以外では多分怒ってはないんですよね。いやどうなんだろう、とりあえず私の印象としてですが。いくつもの心配を抱いていて、個々の心配事に意識を向けるその匙加減に狂いがあるのかなと考えてみたりした。自己愛が強そうというかまあ生活方面とか諸々がヤバいことには変わりないし、それで星羅がひたすら追い詰められていたことには変わりないんだけど。行政とか頼る手もあったはずなんだけどね。作中どのキャラクターにも感じられるけど、手を差し伸べるって難しいよねと思わされてばかりでした。手を借りるも同様に。聡さん、声を発する登場人物としては唯一の単独キャストで。でも中神さんおひとりだからこその筋が、作品に一本通って各公演を結びつけていたんじゃないかと思う。ところで小松先生が利き腕の怪我に気付いて以降、聡さんと関わりを持ってきたわけだけれど。星羅の死後、10年後、聡さんはどうしているんだろう。小松先生の「俺みたいに」の意味が上乗せされなければ良いなあと、願う。

一方で、護りたいものを最小限に絞って手を離さなかったのが風太だよなあ…となっています。「うるさい黙れ!」て唯一声を荒げた場面、とても好きでした。きっと前に進むために本音を話すって、どんな場面でも大切なんだろうなと思わされて。現在軸で莉緒に誰が胸の内にいても構わないと未来を語る風太は、だけど学生時代は割とずっと星羅に目を向けていて、君のその心には星羅がいるのかいとか思う時もありましたが。学生時代でも現在軸でも、なんだかんだ風太は莉緒にはちゃんと素直な言葉を言えていたから、違うのかもなとも思った。まあでも嫌いだったけど一転して結婚した小松夫妻のように、大切な存在になるっていうのは先の読めないものだから、本当のところは分からないけれど。今井さんがどう解釈していたのかは気になるところです。風太は星羅のその強さに脆さ、危うさを含めた上でオリオンのようだと思いつつ、星羅にとってのアルテミスは裕介だと、たぶん心の拠り所というか気持ちを傾ける相手という意味のほうで伝えたんだろうなと思う。ただ神話にはオリオンを殺したのはアルテミスというお話もあるので、まあなんともな…という気持ちにね、なったものです。なったんだけど裕介にはアルテミスに似ているとだけ伝えたり、莉緒に星羅はオリオンみたいとだけ伝えたりするところ、言葉と言葉を繋げる気がないのはなんだったんだろうか。本人が話したいように話しただけなのか、それとも星羅と裕介の2人はお互い好きあっているよねと、言葉にしたくなかったのか。どうなんだろうな。現在軸での莉緒との会話、あれはプロポーズ済みで莉緒が返答保留にしていたんだろうなと思っていて。そのタイミングで「秀才くんなんで」て言ってくるところ、どんな莉緒さんでも愛せるんだを自身の心だけじゃなくこの先の努力でもって誓っているようで、そして努力できる人間だと知ってるでしょうと莉緒に投げかけているようで、とても好きな言い回しだった。風太と莉緒にはほんと、幸せになってほしい。あと話が逸れるんですけど屋上で星羅から紹介してもらった時、今井さんは下手で話しているのに風太は上手にいたと思うんですけど、あれはどのような演出意図があったんだろうと気になっています。後から小松先生が来るから?

幸せを祈るとどうしても、小松夫妻を思ってしまっていけない。弘美さんは素直になれたんだろうか。弘美さん、初めストーリーテラーの役割を持つのかと思ったんです。入江さんのお声がとても静かに、けれど強く耳に届く響きをされていたから。たぶん星になったんであろう弘美さんは、現在軸でずっと裕介を見守っていた。星羅の見舞いに行っていないからこそ、会ったことのないはずの裕介を。星羅のことがあったから、ずっと気に掛かっていたのかなと思ってしまって。直接出会って会話して交流があったのは星羅だけど、その言葉の端々から裕介の存在の大きさを感じとっていたのかもしれない。だからどうにか導こうと、見守っていたんじゃないかなあ。幸助さんとやり取りをする弘美さん、声音が絶妙に甘くて大好きだった。だけど素直な幸助さんの言葉には被せるように即茶化して。まっすぐに受け取れない弘美さんを微笑ましく、けれど物語の顛末を思うとどうにも苦しく感じた。死ぬのを待つんだと星羅に語るのも、幸助さんにグレープフルーツジュースが飲みたいと言うのも、本当に戯れなのかな、嘘なのかなと考えてしまって。グレープフルーツとの飲み合わせが悪い薬、ほんと色々あるから、幸助さんを試すにしては冗談じゃ済まなさすぎるじゃないですか。もう、なんなのほんと、危険さに気付いて大事に思ってくれてるんだなって思いたいのかな、生きていてほしいって願ってくれてると思いたいのかな、とか意味深に考えてしまうんですけど、どうしたら良いんですかね。でももし幸助さんが鈍感だったら、薬の備考欄に禁止って書いてあったからやめよう、的なだけの思考かもしれない。先生どうなんですか。ただ願うのは、ココアが弘美さんの好きな飲み物だったら嬉しいなということです。弘美さんの女の子は嘘ついちゃういきものなの、って、どうしても素直になれないって意味もあるのかなあとか考えだしてしまったら、弘美さゆの台詞が、入江さんのお声が泣きそうにも悲鳴にも聞こえてきてしまってだめでした。生きているあいだに幸助さんとどんなやり取りが出来たのかな、本当はずっと一途に好きだったんだって伝えている気はしないけれど、伝えたいことを伝えきれていたら良いな、と思うばかりです。言い逃げもありそうだけど。それにしても小松先生のお名前が幸助さんっていうの、頭抱えたくなってしまいますよね…。

病室から幸助さんや星羅を見守って、その後裕介を見守ってくれた弘美さん。そしてたくさんの登場人物に寄り添ってくれたSachiさん。私あのスカートがスクリーンになる演出が大好きでした。あんなにピタッと今まで動いていたスカートを止めてスクリーンに出来るのすごくない????って見入ってしまった。本当に素敵でした。私があまり踊りによる舞台表現、感情表現を見てきていないから、多分とてもとても取りこぼしていると思う。それが本当に悔しい。つま先、指の先までしなやかで、慈しみに溢れていたというか。もし輝く星なのだとしたら、その光はとてもあたたかい輝きをしていました。ただ南さんに寄り添う荒井さんをSachiさんが包み込むところ、あのシーンのSachiさんのことを私は星羅のお母さんだと思って受け取っていました。とても個人的な解釈ですが。

あと個人的に表現として、美藤さんのコンポタを受け取る時の裕介が大好きで。昼では取りこぼしたりちょっとしたハプニングも起きてたけど、ほんとにあったか〜いんじゃないかな??って思うくらい、持ち方が熱いものを持ってる持ち方で。ホット缶熱いよね…!ってなって、微笑ましく思えて好きだった。熱いものはあついで、我慢しきれない子なんだろうなって。それと星羅を捕まえる裕介の、もう縋り付いてるんじゃないかっていう、あの必死さも。切実そうに必死そうに、確かめるように星羅の腕に頭から抱きついくその姿がとても、裕介の心からの動きなんだと思わされた。裕介の言葉は、どうしてあんなにもひらがなに聞こえるんだろう、と思っていました。迷子の子どもじみたというか。この10年、学生時代を繰り返し思い返していた裕介は、その時間で星羅をとてもとても大事に抱いてきたんですよね。前に進んだ莉緒と風太の同棲シーンから始まる、裕介の過去を振り返るページ捲り。それが本当にすき。私が見た裕介は狩野さんだったけれど、汐谷さんはどのように思い返していたんだろう、どんな声を発していたんだろう。複数キャストが同一キャラクターを演じるとなると、そういった部分がとても興味深いなと思う。台本の最初の方を他よりも早く捲るのは、そこに星羅がいないからかもしれない。星羅との思い出を深く、大事に思い返していたのかなあと思いつつ、その時折彷徨う手は、どこを思い出していたんだろうと想いを馳せてしまう。裕介が星羅を見つめる表情、とても良かったなあ…と思い出しては泣きそうになります。「あれが星羅」って、まっすぐ、子どもの頃屋上で星羅と星を見上げた思い出の「あれがお母さん!」をなぞるように言うプロキオンの裕介も、「まだ間に合うよな」とずっと星羅の隣にいたいという願いを叶えに、星羅の隣に寄り添いに行くシリウスの裕介も、どちらも星羅を今も変わらずとても大切にしているんだと感じられたし、そして星羅との思い出を10年抱き続けた男……という感じもした。頼りなさげに見える背中の裕介がずっと抱え続けてきた感情の発露。シリウスの裕介のラストまでの流れは、迷い込んだ先の見えない迷路にやっとひとつ光が差して、それに向かって脇目も振らず足元も見ずに出口だと思って一気に駆け抜けたんだろうなあと感じられて。裕介がやっと、気持ちに正直に動いた。だからきっと裕介に後悔はないんだろう。その選択は間違いじゃないんだろう。だからシリウスの方がきっと裕介にとってはハッピーエンドなんだろうなと、思うんです……ふたりが結ばれたんだしそれはそう…星になったら星座になりそうなラストでしたものね……遺された側を思ってしまうと苦い顔をしてしますが。裕介にとってはね。青春を取り戻せ!と裕介は健吾がなんか言ってる、と手紙で自分へのメッセージとして残したけれど、それを読んだ裕介は何を思ったんだろう。思い出やその時の感情を取り戻しに走り抜けたのか、取り戻して抱きしめようと向き合ったのか。裕介にとってルートの違いは、取り戻し方の違い、だったのかもしれないなあと思いました。


関係ないんですけどペテルギウス公演で私、下手側にいたんです。出てくる前から男性キャストさんたちのやる気に満ちた掛け声(吉岡さんの声に呼応)が聴こえて。それから皆さんが凄い素敵な笑顔で出てきてくれたんです。本編を引きずっていたから正直その笑顔を見ただけで涙出たよね…。本編中の狩野さんについてはなんか、そこにいるのは金田裕介だと思って見ていたので、『裕介の思い出』で狩野さんが本編よりも明るく無邪気なお声で裕介を演じていているのを見て、声優さんだあ…ってなんか改めて実感しました。その声のトーンのおかげで聡さんの「裕介くん、星羅に何言ったの」を浴びた裕介の停止っぷりを察せられてしまってやばかったのですが。もう、怒られた、じゃないんですよね空気感が。得体の知れない何か大変なことをしてしまった、ていう空気が一瞬で全体を支配して、震えた。あれすごかったなあ…。中神さんの聡さんでも浴びてみたかったです。ちなみに本編軸とイベント時の差がもう凄まじくて、ペテルギウスで笑いすぎてふかふかなシブゲキの椅子で一瞬滑ったのは内緒です。

 

 

この作品を見て、登場人物たちそれぞれが1人ひとり人間なんだと強く感じさせられました。自分として生きている人間。そして心と体、言葉はイコールじゃないということを再認識しました。身体表現が心の全てじゃない、発する言葉が心の全てじゃないんだっていう、当たり前なんだけど大切なこと。そして表に出たものを別の人間が受け取って、関わり合おうとすることで起こるすれ違いや、意図は違うけれども噛み合って支え合える、そんなバランスの難しさも考えさせられました。そこにキャラクターを演じる演者たちがそれぞれの解釈でもって色を足していく。キャラクターと生きていく。織りなされていくその複雑さは、どれもとても色濃くて、考えさせられるばかりでした。

吉岡さんは観客が見て思ったもの、感じたもの全てが正解なんだと言葉にしてくださった。物語を受けてああだこうだと考えること、それは星々を繋いで星座を描くことに似ているのかもしれない。オリオン座の物語。月の物語。オリオンとアルテミスの物語。おおいぬ座の物語。こいぬ座の物語。シリウスプロキオン、ペテルギウスを繋いだ冬の大三角の物語。星々を繋いだら無数の星座が生まれるし、星のひとつひとつにも、たくさんの願いと想いから描かれた物語がある。だからこの感想も、数多ある「あの星に願いを」の感想のひとつとして、数えてもらえたらいいなと思います。

 

 

この作品を客席側で見届けられたこと、めちゃくちゃに泣いたこと、感じた沢山の感想は、この先忘れることはないと思います。そしてこの朗読劇を通して、声優さんって凄いな…!?と何度思わされたでしょう。作品作りへの熱量を、これでもかと感じさせられました。素晴らしい出会いばかりでした。

本当に素敵な、堪らない観劇体験でした。本当にありがとうございました。

 


アフタートークまってます!!!!!!←

 

 

 

 

 

「Candy Boy 7周年公演〜カヌレに恋した王様〜」初参加の感想文

 

 


Candy Boy 7周年公演〜カヌレに恋した王様〜」

 

 

 

誘っていただきまして、初のCandy Boy公演に参加させてもらいました!!!

素敵なポストも使ってみたかったのですが、誰に送るものでもないなと思って。これはただのオタクが書き殴った、ネタバレ込みの感想なだけのものです。ダメだったら教えてください。問題があれば対応します。

 

 


ところで、私は今回初めてカヌレを食べました。色んなカヌレが色んな場所で売られるようになるうちに迷ってしまって、ほんと、きっかけがなかっただけなんですけどね。思い出の出来た初カヌレ、とても美味しかったです。

自分の公演参加については、以前よりカフェ公演でのやり取りなどを色々話に聞いていたのもあり、何が起こるのか分からず初参加は一体どういったものになるのかと、当日まで日々震えていたのが正直なところでした。今回の公演は演劇がメインとあって、個人的にはとても馴染みやすかったです。ご挨拶させていただいたファンの皆さんもとても優しく気さくな方々で、当日はほんの少しの緊張で済むことが出来ました。本当に感謝しかありません。

 

 

 

 

 

 

本編で愛や感謝も伝えられたけれど、その根底にあるのはブレることのない信頼で、頭を抱えたオタクです。

めっちゃ信じてるんだよなーーーーーーーってなりました。すごい、良く信じ続けたな…って。

 


公演概要を読んで、Candy Boyのカフェ公演がどういうテイストなのかを以前から聞いていたので、シンデレラ…妃候補を探したりするのかな…とか、ぼんやり思っていたんです。思ってたんですけどね。フランソワまじでジョゼフィーヌしか見てないやん……となるばかりでした。「またこうして3人で話そう」的なことを、カヌレを持ってきたピノに言うフランソワに対して、今ここにいるのってフランソワとピノカヌレ(食べ物)なんですが大丈夫??という気持ちにさせられて。

物語の半ばあたりはもう、フランソワ一発殴ったほうが良いのでは…??とか思ってました。ほんと。

アノン姫に執着するフランソワの、彼女の為ならなんでもするさの行動力。治世は…?と思っていたのが正直なところで。アノン姫の願いを叶えようと無理難題を呑むフランソワのやり方が、わがままなのはアノン姫であったとしても、そこに財を費やし、負けて痩せ衰えたはずの国を率いている気配がみられなくてので、ほんと、「更に多くのものを失った」んだろうな…となりました。無理難題を呑むだけならまだしも、その後1年無気力お水生活だし。他にやることが絶対あったのよ、気力を無くした王様ほんと治世……ジョゼフィーヌ以外の存在見えてる?となって、お陰でとりあえず一発フランソワ殴らない?という思考に至るのでした。

殴らない?とは思ったけれど、だけどやっぱり彼は王様で。ルチルを差し出すか否かという選択に拒否することが出来たの、あれがなかったら、本当にフレールがフランソワを見限っていてもおかしくなかったんだろうな、と思いました。もしかしたら拒否という答えによって、フランソワを信じ直せたのかもしれないなあと。

ねーーーーーフレール、頑張ってたよねえ。頑張ってたよ。外交もして、以前アルマンにフランソワと比べたら全然ダメって言われた女性との接し方と剣術を日々学んで、国のことを考えて。家族はもうフランソワしかいない、と嘆くのをアルマンに国民の皆が家族なんだと、家族だから言葉にして伝えるんだと言われたフレール。アルマンのオブラートに包まない言葉に自分が学ぶべきところを見出した側だからこそ、言葉にすることの力も理解したんだと良いなあと思いました。話さなくても伝わってるよ派だったフレールに、いやその結果な現状を見よう?と思っていた人間なので…。物語の半ばでフレールの手がフランソワに届かない、届けられない演出が続いていたので、剣を持って兄弟喧嘩をして声、想いが届いたのを見届けられたのは嬉しかったです。何より、開門した後に城へ戻るフレールの、肩の荷が降りたようなすっきりとした軽やかな足取りが忘れられません。

相関図を見るとフレールともしっかり主従関係にあるアルマンが、フランソワだけでなくフレールの傍にいてくれたことはとても大きかったと思います。フレールはまだまだ導かれる側でもあったんだろうなあと。アルマンの口調や声音からそれなりの年齢なのかとは思っていましたが、ご子息を失ってたとは思わず…。なかなかに衝撃でした。代々王家に仕えてきたということは、恐らくご子息も王家の誰かに仕えていたのでしょうか。未来を求めて自分の立場で自分の仕事に専念するアルマンが描かれたことで、ジョゼフィーヌに留まるフランソワの停滞が更に際立つなと、思ってなりませんでした。

フランソワほんとな…。ピノが言葉で伝えられないまま口をつぐんでしまう時に感じた圧倒的身分差。そんな身分差があれど友としての存在でいてくれと言う王は、結局ジョゼフィーヌの話がしたいだけで。…公演概要すごいですよね…カヌレを挟んだ彼らのやり取りを見て震えましたもん、こんなことになっていたの…?と。

フランソワが王として国を導く為に、考え得る最善を尽くそうとするピノは、フランソワなら出来るとずっと信じていたんだろうなあと思います。ジョゼフィーヌを思い出させる存在を消してでも、フランソワが目を覚ましてくれれば。それは完全に自分も含めて消そうと覚悟しているはずで、そんな場面でよくマントゥールはピノを信じて、そして厨房に隠れていてもらえるよう説得出来たなあと思います。嘘をつくことに否定的でないからこそ、察するところがあったのでしょうか。ピノや仕立て屋の口からは、一度も金のロバの毛皮とは言っていなかったはずなので…。それにしても、人を傷つけて終わらせないための後腐れのない嘘はサッとつけるマントゥールが、隠し事に関してはバレバレな嘘っぽくなっちゃうの、正直ちょっと微笑ましく思ってしまいました。オネットとマントゥールの、互いを指摘はすれど否定はしないで時にぶつかりあうような、正反対だけど気持ちのいい友人関係を見せられて、何度ねぇフランソワ!!となったことか。オネットも嘘は良くないと言うけれど、では今ここに真実は必要なのか、傷付けはさないかと、考えて判断する、本当にとても優しい人なんだなあと思いました。金のロバがまだいるのかもしれないと人々が信じる理由がオネットの言葉であったように、正直者は信頼が厚いなあとも思って。彼が嘘に距離を置く人間だからこそ、マントゥールと同調された時には良い具合に混乱させられました。結局ねずみ男はいたのか、それとも誰も傷つかない嘘があったということなのか。ここまでくると、宮廷ねずみ男がいても良いのかもしれないという気にすらなってきます。さすがにないとは思うけど。道化師かな。

宮廷お抱え組、最初はちょっと胡散臭さを感じてたんですよ。お抱え組としての複数人を、ひとりが入れ替わり立ち替わり演じるから。別人なのか、誰かひとり他国勢が紛れ込んでルチルを狙ってたりするのかな?とか、色々考えてしまったわけです。神父は自分への感謝はちゃんと言って欲しがるし、仕立て屋はどんな無理難題のドレスも作り上げるしで。だけど思い返せば、本当にそのままの意味なんですよね。言わなくても伝わってるよ派の人間にも想いを言葉にしてもらうのはとても大事なことだと、物語を見れば考えさせられることで。仕立て屋も、王様の命を達成するべく力を尽くしているだけなんですよね。お抱え組、王の忠臣たちの姿そのものだったんだろうなあと今、改めて思います。

正直私は「この気持ち花束に込めて」を、かわいいなあと思いながら微笑ましく聴く人間なので、どこの誰とも知らない姫のために花束を集めて(それを活けたのは私たちであるという)それをドレスに仕立て上げられた時の、あの、曲の意味が色々変わるんだよ…という動揺は正直泣きそうになりました。アノン姫を諦めてくれないかなと個人的にも思っていたので、自分たちの花がドレスになってしまったの、本当に気持ちがざわついてしまった。相手がジョゼフィーヌだと分かった上だったら、また違う受け取り方が出来たんだと思うんですけどね。お抱え組との間で起きた色々は、この物語をもう一回見れたら見方が随分変わって、新しい発見が得られそうだなと思うばかりでした。普通に劇として、もう1回見れない?と思っています。

というか、既存曲が今目の前で繰り広げられる最新の物語の一部となれるの、すごくないですか。物語も紡げるし、作中で笑顔を生む力も持つし。Candy Boyの曲ってすごい。カフェで披露しても埃は立たず食器も音を立てなさそうな楽曲が多くて、なるほどカフェ公演を行う人たちだな、という印象でしたけど、物語にもなれる。すごいなぁって思いました。びっくりしました。必要最低限でただ生きるだけの日々に、無駄なことこそ必要なんだという道化師の言葉は、歌って手を叩いて皆で笑顔になったあの場で、説得力しかなかったです。アルマンもフレールも一緒に笑顔になれたのが嬉しくて、どこかでフランソワが見ていたりしないかと、2階を見たりと探してしまいました。

 


ね。劇中に一緒に手を叩くの、楽しかったです。こっちは物語に気圧されて真顔で見入ってしまっていたから、あの時、楽しいに巻き込まれて一緒に笑えたのが本当に気持ち良かったです。

クリスマスマーケットのインスタライブ映像では客席の様子はほぼ分からなくて、初めて行った現場となったアイスクリーム博覧会にて、ようやく客席とのやり取りをちゃんと見ることができて。皆めっちゃ一緒に踊るじゃん…と思っていたんです。

なるほど一緒にやるのは楽しいですね。「おそろいのハンカチ」がずっと大好きだったので、お揃いのハンカチを一緒に振れたこと、とても嬉しかったです。

誰かと目を合わせてるんだろうなって目をしていたり、楽しそうにアイコンタクトを取って笑いあっているのも見ました。目線の距離が密なあの一体感は、きっとCandy Boyだからこそなんだろうなぁと感じられました。

 


フレールよりも女性との触れ合いに心得があって、フレールよりも剣術の得意なフランソワが、自国民は皆家族であると認識していたことが本当にたまらなくて。フレールはアルマンから教わったばかりだったけれど、フランソワはそのことをすでに理解していたんですよね。くっこれが王か…となりました。そして、皆が彼の王位を否定せずにそれぞれが努力して待ち続けていたのは、彼の王たる姿を信じていたからなのかなと。フランソワに広がっていた曇り空が晴れたんでしょうね。誰も彼もが、フランソワのことを信じて待っていた。だからこそ最後にフランソワから想いを伝えられた皆の顔が忘れられなくて。そして感謝の言葉を告げるフランソワがまっすぐで。ありがとうの感謝も、抱く愛も、根底にはどんな時でも信じているという想いが強くあるのだと、そう思わされる物語でした。

 


そしてそれは、きっとCandy Boyとファンとの関係もそうなんだろうと感じました。Candy Boyの皆さんが挨拶で述べてくれたこと、それを受け取って笑顔を返すファンの皆さんとの間には、確実に7年の月日で積み重ねてきた信頼があるのでしょう。公演を通して笑顔を通して、互いに、こんなにも想いあって信じあっているのだぞと、見せつけられたような心地でした。ファンと一緒に信じあい笑いあって進んできた、これがCandy Boyなんだろうなと思わされました。Candy Boyを「知る」初めての公演がこの公演で、本当に良かったです。

 


お見送り。していただいたのですが、いかんせん人の名前と顔を覚えるのが苦手な私は、大変な失礼をしたと思います。本当に申し訳ない限りでした。

皆さんそれぞれにお伝えしたいことはあったのですが、特に何かを言えた記憶がなく……まあ、そんなもんですよね。

次の機会があれば、自分から名前を呼べたら良いなと思います。…出来たらいいな。

 

 

改めまして、Candy Boy 7周年、本当におめでとうございます!!!

舞台作品やお仕事をしている皆さんに、今日まで触れたことがないわけではなかったんです。私にとってのカヌレのようでした。触れるきっかけを作っていただけたこと、7周年というこの機会にお会い出来たこと、直接知ることが出来たこと、嬉しく思います。本当にありがとうございました。とてもとても楽しかったです。

この先も素敵な日々となりますよう。

またお会い出来たら嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくなので追記

……………

公式HPのプロフィール記載順で失礼します。

 

奥谷くん

フランソワがずっと沈んでいたから、劇中最後の「Oh!シンデレラ」をとても素敵な笑顔で力強く踊っていたのをみて、めっちゃ元気じゃんって嬉しくなりました。お見送りの時、まっすぐ向き合ってお話してくださってありがとうございました。

山本くん

オネットが正直者だけどこれは言えない…!と葛藤しているところ、その優しさがかわいいなあと思って見ていました。ふと顔を横に向けたら、こちらを見ている?となる時があって。その姿が楽しそうで、誰かと目を合わせているんだろうなあと、こちらまで楽しくなりました。

福留くん

物語のはじめに見た、ピノの寂しそうな笑顔が忘れられません。ピノほとんどずっとひとりだったから、福留くんの笑顔を見れたのがとても嬉しかったです。笑顔を向けるというより、笑顔でこちらを見ていてくれる人なんだなあと思いました。

孫子くん

ガイダンスの時から言葉が聞こえてくるような、すごく表情で語る人だなあと思っていました。そしたらアルマンの年齢を声音で見せてこられて。安孫子くんの出演舞台があったら行こうと、その場で思っていました。

宮城くん

お見送りの一番手で、色々吹っ飛んだ私にとても優しく対応してくださり、本当にありがとうございました。次はちゃんとしよう、と心に誓いました。お抱え道化師の時の笑顔が、皆も笑顔になろうよと言っているように感じられて。笑顔を向けられるのが嬉しかったです。

川島くん

今回一番ご縁をもらえた人だと思っています。この歌声は誰だろうと思っていた部分が川島くんだった時の、君か!感は感激すらしました。目が合ってるのかなーと思う時間があったんですけど、どうだったんでしょうか。挨拶でまだ加入して2年過ぎたくらいと聞いて、そうとは思えずびっくりしました。

前田くん

記憶がもう、「君とアン・ドゥ・トロワ」で足がめちゃくちゃ高く上がっていて、となってにいた安孫子くんの目尻にぶつかるんじゃないかとびっくりしたことに囚われています。笑っていると思ったら、笑顔を消して鋭い目線を見せてくるの、魅せる人だなあと思いました。

 

 

笑顔の向け方は色々あるのだと、今回何度も気付かされました。Candy Boyの皆さんの笑顔、ファンの皆さんの笑顔。まるで言葉が交わされているかのようでした。素敵な空間に出会うことが出来たこと、嬉しく思うばかりです。

 

Candy Boy7周年公演、本当に楽しかったです!!!行って良かった!!!

 

 

朗読劇「この色、君の声で聞かせて」観劇直後の殴り書き

 

 

朗読劇「この色、君の声で聞かせて」

観劇しました。

声優さん目的で行ったはずが、ただただ物語を浴びて泣いて、楽しんできました。前日に眠れなくなるくらい楽しみにしていたんですけど、受け答えをしてくれたスタッフさん、会う方会う方がとても優しくて、心地良い時間を過ごすことができました。本当に素敵な時間を過ごせました。

 


幕が上がる前にふと、笠間さんは「男」役とあるけれど、複数の役を演じたり何かキーパーソンを演じられるのかなと思ったんです。

開幕前に美術教師としてアナウンスをする笠間さんに、なるほど美術教師か、と思いました。ちなみにアナウンスからの「皆さん立ってみてください/起立!」に、本当に立ち上がってその後、頭を抱えたのは私です。

伊吹の見る夢から始まり、水泳選手としての現状を友人たちに伝える時点で、いつも3人でつるんでいたのに今では一人外れてしまっている関係が見て取れました。そして伊吹が屋上で絵と渡来と出会って行く場面の背後で、君塚と野中が近い距離にいて。一瞬付き合ってるのか?と思ったけれど、その後すぐの野中に、あなためっちゃ伊吹好きじゃん…となって。そこが滲んでから見ると、君塚が野中に気があるのに気付かされる。ここ三角か…となるのに10分も掛からなくて、だけど伊吹は渡来ばかりを見ている図に、予感したのは関係悪化かぶつかっていくかでした。

伊吹と渡来のやりとりが、甘酸っぱい以外の何物でもない恋するふたりの空間でたまらなくて、だからその後ろで段々と距離が離れていく野中と君塚に気が気じゃありませんでした。

そうして野中が動いた後、始めの頃に足を組んで座っていた彼女は足を下ろしてどんどん俯いていって、最後には地べたに座り込む。伊吹を一番知っていると思っていた頃の彼女が、どんどん渡来と触れ合って変わっていく伊吹の心を察していくようで、受け入れられずにいるようで後悔しているようで、正直、多くの時間、野中を目で追ってしまいました。台詞のないなかでも、色んな動きを見せてくれるんですよ、彼女。

野中が渡来に嘘をついて。その後に嘘を本当にしたいけど酷いことを言ってごめんと謝れる彼女は、渡来がどんな人間か自分で調べていて。渡来の海外留学のことを時期は知らずとも知っていた彼女は、だけど伊吹には言わなかったんだろうなというところに、本当に伊吹のこと好きなんだなあと泣きたくなってしまいました。千波先生だけじゃないんだよ伊吹、渡来の海外留学を知っていたのは。伊吹はまるで気付いてもいないけど。

最後、伊吹のことを好きでいて良いんだと君塚に言われた野中が「いいの?」って泣きそうに声を震わせながら零すところ、今までの君塚への言葉遣いよりも柔らかでどこか幼くて。本当に泣きそうに言うから、色んな、たくさんの感情が溢れるくらいに伊吹を想っているんだなあと、堪らない気持ちになりました。

君塚は、ほんと本人の心のままに居させてくれる人間だったなあと思うばかりで。伊吹に対する時はほぼおちゃらけて笑わせにくるムードメーカーなんですけど、その時その時で真剣な顔も滲ませるんですよね。そして現実をよく見てて、ぶつけてくる役柄でもあったと思います。「特別支援学級」と言われてハッとして、その学校に通う生徒としてそこにいるのだと実感させられました。野中に向ける言葉たちもそう。

野中に近付いたり視線を投げたり、伊吹に話しかける野中がいる時の表情なんかももう、絶対野中好きじゃんって感じだけれど。この関係を変えたいんだよなぁとかボヤきながらも掻き消して、伊吹を好きだからこそ渡来を傷付けてしまった野中に気付いて「らしくない」なんて言える君塚は、どうしたって野中を良く見ていると察せられて。伊吹を空港に走らせた時も、そっちがくっついてしまえばなんて思いはきっと持っていなくて、がむしゃらに走っていく伊吹の姿を見て、自分もひたすらに走って良いかなと零す。そんな呟きにお前らしいよと伊吹に返された君塚が、その言葉を真剣な表情で受け取っていたことを見てしまったから。言葉を受け取った先で向き合った野中に、好きでいたって良いじゃん、地球上に一人でも好きな人がいるって良いじゃん、奇跡じゃんって笑い掛けるのを見て、君塚まじで良い奴以外の何者でもなくて、そして本当に野中大好きじゃん……となるばかりでした。大好きじゃん。今日はふたりでって最後に言うけれど、3人一緒じゃなくなったそれまでの日々の中で二人ではご飯に行かなかったってことですか??解散してたってことですか??となり、ほんと、どんだけ野中好きなの、どんだけ伊吹が大好きな野中を大切にしてるの、となりました…。大好きじゃん。

野中の、君塚の恋の色はどんな色をしていたんだろうと思ってしまいます。その色も知りたくなってしまう。まあふたりのこの先を語られることはないのですが。今も一緒にいるか分からないけど、それぞれどうか幸せにいてください。

しかしながら君塚も笑わせてくれたけど、お兄さんは本当にぶっ込んできていて、もうどうしようかと思いました。客席の男女関係なくウケてましたね。お兄さん、炎上案件の時事ネタぶっ込んでくるし、世代ネタ入れてくるし……私は世代をバラされました、懐かしすぎて笑っちゃいましたよもう。胸のサイズはアドリブぶっ込みだったんでしょうか……Zを繰り出した伊吹、最高でした。上手く回避したな!って思いました、正直笑

兄貴がうざい弟をしてる伊吹、すごく良かったですね…。結局話してくれるのは一番最後なんだよってなる似たもの兄弟、言わないけどお互いに察しあっていて、言ってくれるのを待ってるところがあったりして。お兄さん、だって伊吹が渡来と楽しそうにしているのを微笑ましく見送ってたりしてたし。思い合う良い兄弟だったなあってなりました。ウザがっても、なんだかんだでちゃんと話聞いてくれる弟だったし。作中、出番でない時は椅子ごとずっと後ろを向いていたお兄さん。だけど空港まで送り届けた後、後ろを向いた椅子の背もたれを体の前にして座っていて。お兄さんの気持ちが伊吹に寄り添っているようで、優しい気持ちになりました。和也さん、話すことはギリギリな所を攻めて笑わせてくる楽しい人だったけど、弟想いの優しい人です。君塚にも知られてるんだから、弟の友人たちとも仲良くしてたんだろうなと察せられて。3人でクレープ食べに行ったりしてたんだろうなあ。

それにしても、まさか最後に千波先生とお兄さんにフラグが立つとは思わなかったですね…。先生が君塚に、自分もしぶといところがあるように匂わせていたけれど、ラストにお兄さんのキッチンカーの常連でお店のインスタにコメントしてて、お兄さんに認知されてると分かるという…。お兄さんにテンション高くなってる千波先生、それはもう可愛かったです…。このふたりもどうなっていったんでしょう。分からないけれど、とても楽しくやれていたら良いなと思います。

千波先生、きっと渡来にお願いされたから、海外留学の話は伊吹のいないところか、手話で話を進めていたんでしょうね。「伊吹が知らなかっただけ」という端的な台詞の鋭さと、見送ってからの「会えなかったらただじゃおかない!」て言葉が止まらなくなってる姿があまりに対照的で、良い先生だなあって微笑ましかったです。

渡来の家庭環境については、もうどうにも気持ちがつらくて。渡来が留学して連絡つかなくなったって時に、一瞬父親の再来が過ぎってしまって。また泣いてるんじゃないか、苦しんでいるんじゃないかと怖くなったから、だから理由が留学で良かったと思いました。明日が来ない色だと評された彼女の色だけど、この先新しい色を重ねていくための留学だったら良いと思います。

というか、渡来はずっと伊吹があの時の子だって分かっていたんですよね…。伊吹の指についた絵の具を拭った出会いの時点で、かつてクレヨンがついた指を拭ったことをなぞっていたんですから。ほんとね。彼女の世界は閉じられていたけど、伊吹と出会って変わっていけたのだと思っていたら、伊吹だったから世界がまた動き出していたんだという。この、再会よ。

耳が聞こえない、声がうまく出せない渡来が、段々と伊吹に声で伝えようとしてくれるの、素敵だなと思う一方で彼女には聴こえないのだという事実が、思い出しては寂しくなってしまって。動く唇から溢れる声音が彼女の世界にも響けば良いのにと願うばかりでした。個人的に、人と向き合う時ノートに書き記す言葉は平仮名で、伊吹とLINEする時は漢字変換がされているのがすごく興味深くて。早く伝えたいという気持ちを持っているんじゃないかなと思わされました。

別れ際に手話で伝えあった「好きです」は、絵の具に乗せて込めた「愛してる」となっていつか直接伝え合えるはず。再会できた二人だからこそ、次の再会を信じられるんだと思います。

というか、伊吹と渡来のやりとり、本当に良かったんですよ…。役者の話ですが今回、会沢さんがコロナに罹ってしまって新たに渡来を演じることとなった一村さん、ACTチームでは野中を演じて、VOICEチームでは渡来を演じられていて。ACTチームで平松さんの渡来に触れつつ、この短期間で自身の渡来夢を育てたのだと思うと、本当に凄いと尊敬するばかりです。渡来の立ち位置とはほぼ逆の席だったので、もっと表情からしっかり見たかったなという気持ちです。叫びがね…頭から離れないんですよ。彼女が伊吹と再会した時、その時はどんな言葉を色に乗せるんだろう。伊吹がいつかその色を目にすることが出来るよう、伊吹の色を渡来が目にすることが出来るよう、祈るばかりです。

ねーーーーーーー伊吹。

個人的に、あーーーとか、だからえっと、とか言い淀みながらも、ちゃんと伝えようと言葉を探す伊吹がめちゃくちゃ好きでした。押し間違えてテレビ電話しちゃうぞと決心する姿も微笑ましかったけど、彼が動くから、言葉として伝えてくるから、連動して様々なものが動き出したんでしょうね。やっぱり伝えるのって大切か…、となりました。大切だってよ君塚!なんて、彼は既に長期戦を覚悟してますけどね。

それにしても、伊吹は本当にまっすぐな奴ですよね…。きっと水泳にもひたむきだったんだろうなと思います。美術部に入ってもしっかり課題に取り組んで、渡来にも真っ直ぐに向き合って手話も覚えようとして。自分に出来ることをまっすぐ取り組める奴なんだなあと思いました。でもまっすぐだからこそなのか、友だちと思ってる野中からの好意に一向に気付かないし、3人で仲良しだと思ってるんでしょうね、君塚の野中への好意にも気付かないわけです。ヒロインに向かう主人公にしか向かない男みたいで、それはそれでおもしろいんですけど。だけど、だからこそのひたむきさが、美術を続け絵を描き続け、大人になり教師となって絵を完成させたのでしょうが。渡来が描いた絵とは異なるけど、同じ海と人魚の絵。もしくは、渡来が描いて黒く塗り潰したものを、修復したのか。確かに渡来が描いていたものに伊吹が色を重ねたら、それはふたりの絵になるんですよね…。ひとりじゃない、愛してると絵に囁く伊吹の目の、声音の優しいことったら。自分の想いを信じ、再会を信じる彼はやっぱりどこまでもまっすぐで、とても強いなと思いました。

「男」が、舞台上にいる役以外の名前を呼んで授業の参加を促しながら、度々授業で人魚の話題を挙げていました。人々を海へと連れ込むセイレーンの話を、こないだ金田一のドラマで見たなあとか思いながら聞いていましたが、そこにいる伊吹も野中も君塚も、教師に背を向けて授業を聞いている気配がまるでない。美術部員として日を過ごした伊吹が、渡来に描かれた人魚がひとりで寂しそうだと言った時、その少し前に教師がアンデルセン童話での人魚について、王子が思い出してくれたら人魚は寂しい想いをしなかったんじゃないかと語っていたので、あぁ美術の授業に(体はそっぽ向いていても)意識が向くようになったんだな、と思っていたんです。

思ってたんですよ、ええ。

 

 

笠間さん演じる「男」が、汐谷さん演じる「伊吹翔太」の美術教師になった姿だなんて思います??????

 

 

学生の伊吹が渡来と空港で別れた後、スポットライトを浴びた美術教師の男が伊吹として「俺は」と語り出した時の衝撃たるやですよ、もう、ほんとばか。すきです。キャスト陣が退席しない構成だからこその錯覚でした……ほんと…いや全然他の役と絡まないなとか、男って書いてあったけど美術教師じゃんとか思ったけど、そんな…。ほんともうですよ。たまにキャンバス越しの伊吹には目線をやってるんだよなとは思ったんですけど、そういう…。

でもそれだけの間、伊吹は渡来との再会を信じながら絵を描き続けていたんだなぁとも思わされて、その光景にぶん殴られた感じでした。ふと気付くとキャンバスを見ているし、もう、やられた…!てなりました。美術教師の男の言葉は、渡来と過ごした後の伊吹の言葉だったんですから。うわぁ伊吹先生、人魚について何て語ってた???って、アンデルセン童話の人魚の話、そのまま自分が思い出していればの話だったのでは???って、もう一回観劇したくなりました。そりゃ「男」役って書かれる。でもエンドロールには「伊吹翔太」役って書いてあるんですよもう!観劇後しばらく落ち着くことが出来ませんでした。ほんと、やられましたね…。

そして伊吹先生が絵を描きあげた後、彼は「この色、君の声で聞かせて」と呟きます。

 

それに合わせて一緒に口を動かす伊吹翔太(学生)。

 

目の当たりにして爆ぜました。

ほんっとにまっすぐな男だな!!!

本当に、しっかり再会して「愛してる」の色を伝えてください。


観終わってみると、関係性の結末が誰も描かれなかったからこそ、未来が気になるばかりの気持ちになりました。

渡来の、明日が来ない色が動き出したからでしょうか。

それぞれに、素敵な未来が描かれていますように。

 

 

 

 

 

 

 

SideM楽曲語り30の質問

 

サイスタからのPです。

基本的にはSideMのプレイリストを作ってシャッフル設定で聴くスタイル。

CDは友人から借りたもの、いただいたものを含めて6th東京の予習を目的として集めて、以降ひたすら聴いてます。アニメ特典以外の楽曲は手元に揃ったはず…?

ただユニットと楽曲を結びつけることが当初の目的だったので、各楽曲の掘り下げはとても浅いんですよね。申し訳ない。

とりあえず、気が向くままに書いたらとっ散らかりました!

 


【SideM楽曲語り30の質問】

 


1:はじめに。担当はどのアイドルさん(ユニット)ですか?

神谷幸広です。


2:最近お気に入りの曲

RED HOT BEAT!を聴いてると、クラップして足鳴らして「happy!」で足上げたくなっちゃうんですよね。軽やかに元気で楽しくなっちゃう。


3:初めて聴いた曲

友人Pから初めて布教された当時のことを正直ほぼ場面的にしか覚えてないんですけど、でもReason!のフルを聴いてこの曲知ってる!となったので、アニメで見ていたんだと思うんですよね…。

だから耳にしたSideM最初の曲はReason!のはず。

最初にヤバいなこの曲!?と刺さったのはStudy Equal Magicです。もっと勉学が日常の中心にあった学生の頃に出会いたかったなと思う程には、学びに対する認識に変化を与えられた気がしています。


4:初めて買ったCD・楽曲

自分ではリトルハピネスが初購入です。どうする?って悩んで担当の属性曲を先に買いました。

SideMの楽曲界隈を知ってから、ソロ歌唱付のCDをお迎えすることに、正直すごく憧れていました。ソロ歌唱、最高に楽しいですね…。初聴きのタイミングで北村想楽のリトルハピネスに爆散したのは私です。なにあれやばい。北村想楽の歌声とリトルハピネスの相性とかもあるんでしょうけどそれ以上に歌声で魅せる表現力がやばくて、こう、私は表現者をしている北村想楽が好きなんだと、モバエムに触れながら感じていましたけど、改めて思わされました。

アイドルひとりひとりに対して沢山の気付きと発見を得られるので、ソロ歌唱が聴けるっていいな…と噛み締めた次第です。


5:よく聴く曲

基本的にシャッフルして無作為に聴くので、どれを一番ということはないんですよね。なんでしょう、MEET THE WORLDとNEXT STAGE!かな。

ユニットごとにあるから、もれなく多くはなるんですけど、それだけじゃなく楽曲としてもとても好きです。

あとランダムで聴いてると、どのグループのver.が流れてきてるのかって早押しクイズしたくなるんですよね笑

いつまでも飽きずに楽しませてもらってます。


6:よく歌う曲

SideMのP活動を始めてからカラオケには行っていないので、なんとも言えないんですけど、だけど最近まじで口ずさむのはリトルハピネスだよなと(2回目の登場)

リトルハピネス、曲調も歌詞も、あまりにもかわいくて大好きなんですよね……。気持ちがうきうきしちゃうんですよ、口ずさみながら\So happy!/って感じになります。世界平和はここにあるって信じてる(?)

沈む程ではないけど嫌ーって仕事でなってる時にテンション上げたくて歌ったり、楽しいの上乗せをしたい時に口ずさみます。とても明るい気持ちになれるので大好きです。

たまに上がりすぎて一人で浮かれてる人間になりかけるのが難点です。あやしい人間になってしまう…。


7:サイスタで好きな譜面があれば。

Pavé開幕のアスランの、「ナーーッハッハッハッハッハ」のジグザグです。あそこがやりたくてプレイする時が結構あります。


8:ライブで聴きたい曲

MEET THE WORLDとLIVE in your SMILE、DREAM JOURNEYを私は今後、どこかで聴けるんだろうか…と考えるんですけど、どうですかね。いつか聴けたら良いなぁと思っています。

それからPの掛け声と歓声が入った神速一魂の曲が…とても聴きたいです……。笑顔の祭りにゃ、福来るも。そして俺たちとお客様のWe Are Café Parade!も聴きたいし言いたいんですよね…。掛け合いの声が聴きたい…。


あと、シャッフルユニットにクラファ混ぜてくれ!!!!!と思っています。プロミの属性曲、最高でしたもんね…いつか是非。待ってます。


9:歌い方が好きな曲。および特にここ!という場所

Eternal Fantasiaの「輝きを放って」がとにかく、本当に大好きなんですよね…。ライブでの好きから、曲の好きに繋がった感じです。言葉が運ばれるテンポがとても沁みて、そして雨彦さんとアスランの歌声の重なりがとてもとても好き…。

(以下ライブの話)

初めて触れた6th神戸の葛之葉雨彦の衝撃が強すぎたんですよ。本当にあの時のエタファン葛之葉雨彦が最高に好きで。掲げる手の形がもう好きだし、曲が始まる前、立ち位置につこうと横を通る巻緒を見つめる雨彦さんの姿からしてもう好きなんですよ。見てほしいあの姿。同じ事務所の仲間を見る葛之葉雨彦の目をしてる(?)

(ライブの話ここまで)

という、それは葛之葉雨彦さんですか声優さんですか?みたいな出会い方をしたんですけど、そこから楽曲を聴いて歌詞に触れて、ええぇ良……となってリピートしまくって結果好き、に落ち着いた感じです。見つけた、見つけられた人たちの集まりみたいな3グループが「出会ったのは偶然じゃない」て歌うの最高すぎませんか…。しかもメンバーそれぞれを思わせる一片が歌詞に散りばめられて、ひとつの歌を作り出してるんですよ……そんなん好きじゃん……。


ところでリトルハピネスの百々人の「なんてね」最高すぎません?私は思いっきり刺されました。


あとPROOF OF ONESELFの牙崎の「reflection 試されてんのかなぁ?」がマジで好きです。まじで。ここで落ちたくねぇ〜〜って呻きながら、モバに触れるたび牙崎漣は天才(安直なワードチョイスですまない)だな…と思っています。


それとNot Aloneの「孤独に負けそうな夜は そっとYes Oh Yes 呟くんだ Not Alone 僕がついてるよ ほらYes Oh Yes この手を繋いで」を歌うC.FIRSTめっっっちゃくちゃ格好良くないですか????????私はサイスタ出のPなので、早くに出会ったこのフレーズの格好良さに撃ち抜かれてここまできたと言っても過言ではないかもしれません。


10:インストが好きな曲

玄武の威風堂々と

だってめちゃくちゃ格好良いじゃないですか。あわせて朱雀ソロも聴いて、最高かよ…!てなるのが好きです。

さて………ここまで打って、インストとイントロを間違えている自分に気付きました。せっかくなので残しておきます、だって好きなんですよ玄武ソロのイントロ。


POKERFACEのイントロは好きです。ライブのアンコールタップ時に流れてた印象もあるんですけど。

全体的にインスト、あんまり聴いてないんですよね……この機会にイントロプレイリストも作ろうかしらという気持ちになりました。今後掘り下げていきたいところです。


11:かっこいい曲

Bet your intuition!…………ベッチュア……………………………は、マジで、いつ聴いても、どう聴いてもカッケーんだよな……となります。合同曲だし歌だからそれはそうなんですけど、ソロパートが繋がってくのずるくないです?????格好良いもんが繋がったらそりゃあもう格好良いんですよ。それはそうなんだけど語彙力が消える…。

格好良い曲としてただ聴いてる時と、アイドルたちそれぞれの声を認識して拾いながら聴くのとでは破壊力が変わってくることあるじゃないですか。余計にやばいですよね。破壊力めっちゃ上がるやつ。改めて聴いて爆ぜます。あとマジで音が良すぎて震えるんですよ、どうなってるんですかこの曲。強すぎだわ。


そして私はオモイノウタも最高に格好良いと思っています。最高じゃない?最高なんですよ、めっちゃ格好良い。初めて聴いた時から格好良いと惚れ込んでました、好きです(告白)


あとALL nOR NOTHINGはブチ上がる方の格好良い。カッケーーー!のほうです。ちょう楽しい!!!ってなります。

なるんですけど「この瞬間は Yes, We're same dreamer.」で頭を抱えるのは幸祥福のせいですね。あくまでもsame、フェアで対等なゲームをしてるのでそれはそう、そうなんだけど幸祥福…ッてなります。あと「これほどに誰かの胸の奥 理解したいと願うこと他にあるかい?」…強すぎて酒飲みたくなりますね。


Time Before Timeは個人的にカロリー消費するほうの格好良さです。なんか体に力が入っちゃうんですよね…。


これいつまでも書けてしまいますね。ちなみに爽やか気持ちの良いほうの格好良いは勇敢なるキミへです。最高に好き。


12:かわいい曲

もっふ・いんざぼっくす♪の「しっぽがチラリ見えたら」が聴こえた瞬間全力で \かわいいぃ〜〜!!!!/ てなります。叫んで良いなら全身で叫ぶやつ。もふがかわいい。楽曲がかわいい。合わせて丸ごと全てがかわいい。


13:泣いた曲

自分の呟きを遡って、最初にガチ泣きしたと観測出来たのはLEADING YOUR DREAMでした。自分全然やれてない〜ってなってしまって。人間、突然歌詞が刺さる時ってあるじゃないですか。

GOOD NEW MORNINGは楽曲でも、6thライブでもくっそ泣きました。個人的に身体が丈夫な自覚はあるので「当たり前のように」と言われて、それはそう…と信じられて、続く歌詞にメンタルが紙切れの人間は馬鹿みたいに泣きました。毎日の出社を頑張る力になっています。

あと初めて触れたAltessimoが6th神戸のあのセトリなので、ライブ演出でもれなく泣くし、正直普通に曲を聴くだけでも泣けます。


…泣いた、てこういうニュアンスの内容で良いんだろうか。なんか違う気がします。


14:元気になれる曲

Sugaring Off Party!大好きです。

Su・Su・Su!が聞こえてきたらもう笑顔です、元気になれます。春が訪れる頃の歌ですしね、明るいほうを向ける気持ちになります。

メロディーももちろん好きなんですけど、あのメンバーが作り上げる、絶妙に元気で賑やかな感じが良い塩梅に効きます。


15:テンションが上がる曲

朝に聴く我が混沌のサバト・マリアージュ、まじで最高にテンションが上がります。アスランの歌声の力強さは最高ですね。

Present For You!!!!! ~A day in the cafe~の「とっておきを用意したんだ」の歌い出しの強さも大好きで、神谷と一緒に歌うアスランの声が聴こえてくると、いつも笑顔になってしまいます。「愛はいくつあってもいい」!あと関係ないんですけど同曲で「それが贈りたかったものなんだよ」でプレゼントを描くのが大好きなので、いつか現地でFor Youしたいなと、オタクは思ってしまうんですよね。思ってしまうんですけど、あの振りは見間違い?私が解釈間違えてる??どうなんでしょう。

 

あとJOKER↗︎オールマイティはとにかく楽しくてテンション上がります。楽しい。タオル回して盛り上がりたい〜!「今度はキミの番、準備はいいか?」の台詞の入りが最高だし「We are "JOKER" 天下無双!」で楽曲締めるのめちゃくちゃテンション上がるし、「それよか しゃっくり止めて!」が大好きです。


16:落ち着く曲

東雲のPiece Montee

ソロ楽曲のなかで、イントロを一番最初に覚えた曲です。だからか、聴こえてくると落ち着くし、なんかだか個人的にホームのような安心感を覚えます。


17:春に聴きたい曲

みのりさんのCherish BOUPUET

口笛のようなイントロが聞こえてきたらもう花畑が広がって見えるんですよ。


18:夏に聴きたい曲

流星PARADE

私はなぜかこの楽曲に、林間学校や合宿の夜のイメージを持ってるんですけど、なんででしょうね。でもなんか、勝手に山の中木々の隙間から星を眺めるような、夏の夜のイメージがあります。


19:秋に聴きたい曲

Pavé Étoiles

個人的に秋は舞台を観に行くことが多い季節なので、きらきらした曲も聴きたくなります。Pavé聴きながら、宝物を集めるようにどんぐり拾ったり、紅葉狩りしたりするのも楽しそうですよね。


20:冬に聴きたい曲

いつかのトライアングル

冬に聴く失恋ソングは沁みるんですよ……。

あと、年が明けたら装 -So Beautiful-が聴きたくなります。


21:頑張る時に聴きたい曲

眠らぬ夜にスパシーバ!

頑張るための助走剤と言いますか。曲調と歌声の力強さに勢いをつけてもらってます。ただダンスになると国違くない?てなるんですけど、どうなんでしょう。気になるところ。

というか神谷山下古論(ユニット順)って、一緒に歌うとこんなに力強くなるんですね…。いや個々も強いけど。彼らのMTWも歌声が強くて大好きです。セットで聴きます。めっちゃ音量上げて聴きます。


あと北村のFlowing Freedomを聴いて、仕事すっか…がんばろ、と思うことは多々あります。


22:へこんでいる時に聴きたい曲

ミュージアムジカ

出会った当初は大変お世話になりました笑

色々しんどくて、ひたすらリピートしてた。

「考えすぎちゃう 誰かにそっとアドバイス ノリノリイェーイ 声出せ!」

てもう、笑っちゃうんですよね、やるか!って気持ちになります。


23:その他、特定のタイミングで聴きたくなる曲

突然、浴びてえ〜!となって聴き始めるのはALL nOR NOTHING、ふと聴きたくなるのはスリーブレス。スリーブレスは、自分に刺さるのかなぁって手探りな距離感があるんですけど、本当に優しい曲だよなぁって思って聴いてます。FRAMEが歌う優しさを聴きたくなる時があるんですよ。


あとライブ後はそのライブで突き刺さった曲を多く聴くようになります。今はひたすらにF-LAGSを聴いている…。


…特定のタイミング、とは違う気がしてきました。


24:一番好きなCDジャケット

真っ先に思いつくのはやっぱりGROWING SIGN@L 03 FRAMEなんですよね。とても爽やかで本当に良すぎる…。


25:一番好きな曲のタイトル

(複数回答になりました案の定)

夜空を煌めく星のように、が本当に綺麗で、すごく好きです。

あとは喝彩と祝彩!ですね、彩の楽曲タイトルは、彩だからこその強みですよね…。それからCafé Parade!のド直球タイトル。でもThe Café Paradeな曲だから、そのまんまで正解大正解!って気持ちになります。強い。


26:一番好きな歌詞

(複数回答に以下略)

Compass Gripper!!!の「例えば僕たちは "未来を君と見たい"」「溜め息に費やすなら その時間を僕らに頂戴」

前者を歌う「僕たち」って、最年少から最年長層までいるんですよ…。315プロ所属の全年齢層のアイドルから、可能性はあるよって、「未来を君と見たい」って夢を歌われるの、堪らなくなってしまったんですけど、どうしたら良いんですか……。

後者はほんと、ハッとさせられるんですよね。歌詞が耳に届いた途端、顔を上げさせられちゃうんです。英雄さんの落ち着いたトーンから入るから余計、涼くんの歌声が真っ直ぐに届いて。毎回新鮮に刺さります。


スリーブレスの「…守ってみせるから 幸せになれ!」

ド直球に弱いんですよ私、多分。

この楽曲をはじめ、FRAMEの楽曲は凄いですね、すごく寄り添ってくれる。どの曲でもひとりにさせないの、凄いなあって思います。関係ないんですけど、FRAMEのユニットカラーが緑なの、とても良いですよね…。


それと台詞で、A La Carte FREEDOM♪の「世界一ってきっと…サイコーッ!」を、ひとりじゃなくて東雲と咲ちゃんが声を揃えて掲げてるところが、こんな大きなものだって共有出来るんだと、聞くたび何度も気付かされて、衝撃を食らって殴られています。

あとDelicious Deliveryの「会いに来てくれた、あの喜びも知ってほしいんだ!」は、ほんと、そんなことアイドルに歌われたら泣く。


27:担当が歌う曲の中で一番好きな曲

A CUP OF HAPINESS

強すぎて最高なんですよ………。

個人的にSideMの楽曲を集めて聴き出すなかでは結構初期の頃に聴いて、それこそ神谷幸広をまだ全然知らない頃に聴いたんです。

カップ一杯の幸せ、世界中に届けていくよ」の歌い出しに、届け、たい、とかでなく!!!????願望じゃなく実行していると!!!!?????とまじで秒で暴れました。「〜世界中に届け」まで聴いてる時は、普通に規模を考えて願望文になる気がしたんですよ。だけど歌うのが世界を歩いた人間だから、行けることを知ってる人間で何より神谷幸広の言葉だから、続くのが「ていくよ」になるんだなとオタクは爆ぜたわけです。今でも熱が入るので、いまだに致命傷です。

というか最後に「あなたはもう孤独(ひとり)じゃない」って来るんですけど、そこに至るまでの歌詞で「話してごらん」「ティーカップ傾けてよ」「さぁ、召し上がれ!」つって距離がそこに居る距離だし、「手を取って」「一緒に踊り明かそう」って巻き込んでくスタイルで「沢山教えてあげよう」ってこれからの話までぶち込んで来る、この、「もう孤独(ひとり)じゃない」の補強が凄くないですかこの歌詞、なにこれ。なに。

そしてトドメに「一緒に幸せを広めよう」が来るんですよ、幸せを広めると書く神谷幸広が、言ってくるんですよ…………ばかじゃん……………(語彙力)

神谷の歌声もどこまでも前を向いてる、迷いのない真っ直ぐさがあって、力強いんですよね…とてもとても好きです。ほんとに。

どうして素敵なステッキなんて手に入れてしまったの??最高かな?勝てる気がしません。


28:総合的に一番好きな曲

NEXT STAGE!が………私は……とてもとても好きなんです…………………。

なんかもう全てをひっくるめて大好きなんです、見るもの描くものが全部キラキラしてるんですよ…。開幕!!!て気持ちになります。でも「強がったり 人知れずに鍛えたり そんなの知ってる 黙ってるけど」って、ちゃんと横も見ていて、みんな一緒に進むんだなぁってなります。本当に好き。


29:この一枚は是非!というオススメCDは?

THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE -BEST

入り口はこちらで是非!!!

ここから自分の好きを見つけて、どんどん広げて行くのが楽しいんじゃないかなと思います。


30:SideMの音楽について、好きな点や魅力をどうぞ!

自分では思い至れないこと、見れないことをたくさん教えてくれる、新しい視点を与えてくれる音楽たちだなぁって思っています。異なる優しさを含んだ楽曲が多いのも素敵だなあって思います。

 

 

 

 

 

 

ミュージカル刀剣乱舞 静かの海のパライソ2021 観劇直後の殴り書き

2021/10/2観劇

 

 

 

 

★★以下、ネタバレのみ★★

内容を知りたくない人は読まないでください。

 

 

 

 

 


パーライーソーーー

 

 

 

 

 

 

 


ミュージカル刀剣乱舞 静かの海のパライソ2021

 


観劇いたしました。

個人的に刀ミュの本公演を観るのが初めてだったので、ずっと楽しみにしていました。

無事の開幕、本当におめでとうございます。

どうか最後まで走りきれますように。


本当は頑張れば双騎や東京心覚とか、現地参戦出来たと思うんですけど、公演発表を受けて、現地でパライソが観たい!と思ったあの日から、はじめての現地観劇はパライソにしたかったんです。

刀ミュ本公演、初現地!

本公演です。刀ミュ現地のはじめは歌合でした。ジャニーズのライブみたいな感じって言われて臨んで、蓋を開けたら神事だったのでびっくりした記憶が新しいです。

今回は本公演の!初現地です!!!

 

 

 

ね。

(察せられるかもしれませんがここまでは観劇前に打ってます)

 

 

 

 

 

 

 

パライソってなに?


なに、ほんと。これは

 

 


いや、島原の乱が始まった頃までは、この色々に絡み合って作り上げられた現状が堪らなて、耐えきれなくて泣いてた。

というか正直、そのまま乱が描かれ続けるようなら私は堪らず退出してトイレで項垂れている選択肢すら持ってた。正直。久々に浴びた大音響で揺れてる気がするし床が抜けたらここでも地獄が生まれてしまう、大丈夫ここ地上だから(第3バルコニー)とか、なってた。私のメンタルにダメージよ。

 


これが歴史を守るということなんだな、と改めて思わされました。

自らの手で用意して、史実の通りにことを進めさせるのだと。

刀剣男士、そりゃあそうなのよね。

人間、今まででも確かに斬ってるんですよね。ズレ始めた歴史を戻すためなら、その対象に例外はないわけなんですから。

そうなんですよね。

肉を斬り血飛沫が舞う音が、現実を突き付けるばかりでした。


本来ならば死んでいるはずのこの人を、自分の手で殺さなければならない


その方向で描く作品が多かったから、錯覚していたのかもしれない。

人の血に染まることについて。

歴史を守ることについて。

そりゃそうなんですよね。

 

 

 

 


ねーーーーーーーーーーーーーー


ほんと、もう

なに

 

島原の乱が始まった段階で、これはこうなるべく作り上げられた今、だってそれが歴史、史実、これは史実の通りに島原の乱を起こし鎮圧させるためのもの、と繰り返し念じてメンタルの回復を図っていた女なんですけども

 


だけどこれ、初めにちゃんと情報共有出来てたら、もっと立ち回り方は変えられていたのでは?と、思ってしまわなくもないんですよね…。

知ったら情が湧いて史実通りに物事が運べなくなるから、なんてそんな危惧からだったのかもしれない。

数多の命が奪われるこの乱でどう動くか、それを話し合いで決める時間が惜しいと思われたのかもしれない。

考えるのは今じゃない、と言うのなら。

でももしそんなマイナスな考えでもって、何も伝えず教えずに、ことが始まるまで過ごさせていたのだとしたら。

なんか、小突いてやりたい気持ちになるんですよね、それでも。知らないならちゃんと詳しく聞いたって良いんじゃなかろうか、ともなるんですが。

今回の鶴丸はこう動いたけど、いつもこんな手段なのかな?と思うばかりです。

鶴丸は、この編成ではこんな荒療治的手法を取ったけれど、他の、色々と経験を積んだ刀たちにも同じ手法を取るのだろうか、と考えてしまいます。


豊前鶴丸に、松井は向き合う必要があると、自分の思いを伝えるところで、鶴丸が笑うのがとても胸に来ました。

出来なくて、動けなくて、心寄せてしまって。

実際、あの場で出来ることではなかったかもしれないけど、この先、それを糧にして強くなることが彼らには出来るのだと。松井も、豊前も浦島も日向も、この出陣を経て更に強くなるんでしょうね。

その時に、彼らと向き合う鶴丸はどんな手段を取るのだろう。そんなことが頭をよぎります。

背負うものを分け合うことが出来ていたら良いなと、思います。鶴丸が寄らないなら、みんなが寄ってやってほしいなと。


とかね。思うんですけどね。


でも今回、島原の乱に乗り込んだ鶴丸国永は「自分にヘイトが集まるよう動いている」鶴丸国永だから。

報連相に情報共有、意思共有も疎かにされていたけれど、色々、色んなものを隠しての姿だったのかなあと、そんなことも思っています。

その上で、そんな鶴丸の隣に「そうだな」と声をかけ続け、そばにいて、為すべきことを徹底して為してみせた大倶利伽羅が今回いてくれて、鶴丸自身が大倶利伽羅を選んでいて、良かったなあと思います。

「そうだな」という同意。鶴丸を独りにせず、そして己も鶴丸の背負うものを背負おうという意思が感じられて、堪らなくなります。とても優しい言葉だなあと思います。

そして想いの一部を、大倶利伽羅に聞かせてやれる鶴丸で良かった。


強いね、鶴丸国永。強いよ。


強いんですけど、その強さは何があって生まれたの?とも思います。

 


いやーーーーー鶴丸国永。

なんなの鶴丸国永。

 


2幕の時、Free styleを見てたらなんか泣けてきて、鶴丸国永見て泣いてました。

曲の最初でわちゃわちゃし始めた彼らに、彼らは現代の審神者にこれらを届けるために時間を割き練習を重ねてきたんだな…とふと思ってしまって。

1幕を引きずる女は、そんなことしてないでいいからあったかいごはん食べてあったまって寝て、とぐるぐるしながら泣きました。おい鶴丸国永お前もだぞ…!て。舞台上の踊りを見るのが久しぶりすぎてガン見してたはずなのに。ふと思ったらそれ以降ずっと泣いてました。

それ以降というか、日向と浦島がおれたちさいきょう、的な歌詞を歌ってるあたりから死んでたんですけどね…

いや1幕で幕府側が乗り込んできた最後のあの時、離れたところへ誘導されていたふた振がその、歌詞、ですか…みたいな。

海へ行く彼らに、見せたくないだろって言う。

それは優しさだと思うんですよ。

思うんですけど、刀剣男士としてそれはどうなの?とも、その時思ってしまっていて。

まるで戦力外扱いじゃん、と。

結果的に時間遡行軍は攻め込んで来ませんでしたけど、人々に心を寄せてしまっている現状から、史実に沿うための任務がこなせないだろうという判断されてしまったようで。

強くなって最強になってみせてくれ、と願うばかりです(とか、ここまで言っておいて歌詞は耳で聞いてるだけなので合ってるかが分からないという違ってたらごめんなさい)※配信されているBe Cool!!を聴いたら「俺たち無敵」でした申し訳ない…………ふた振とも最高に格好良い刀たちじゃないかよ………。

 


あと豊前なんですけど、なんですかね。最後、松井が目を逸らしてしまったところで立ち尽くしている豊前が、なんだか忘れられないんですよね…。鶴丸の背負うものを自分も持つつもりの大倶利伽羅と、絶妙な感じに比になっているようにも感じられて。

それでも格好良かったよ。鶴丸にあんな顔をさせてくれてありがとう。

 

 

 

だけどやっぱりさ………………みんなあったかいごはん食べよ………あったかくしていて……

松井に浦島、日向のことを思うと、メンタルの話をしているんだ…!という気持ちが顔を出します。

山田右衛門作に担がれた日向も、血をアイデンティティとしつつもその背景と突然向き合わされた松井も、右も左も分からないまま放り込まれた浦島も…。

考え続けるしかないって言うけど、考えるのもしんどいんだからね、無理するんじゃないよ…となってしまいます。

でもな、考え続けながら、今回出来なかったことを次では、次こそ、と強くなっていくんだろうな…とも思うんですよね。

思う思う。豊前も含めて彼らは絶対、格段に強くなる。と、思うんですけどそれはそれ、これはこれ。私がしんどいでしょ…と思っているだけなのでそこはつまり、彼らが不要だとするならば要らぬ心配になるわけなんですけれども。

だけど今は、人と一緒に、あったかいごはんを食べてくださいと願ってしまうよ…

浦島、これからも竜宮城へ誘ってくれるのかなぁとか考えてしまう…にいちゃんたち…

自分をにいちゃんと言い出したの、辛かったなあ。そこまで行ってはいけないよ、お前はひと振の刀剣男士なんだから…

言葉で教え諭すのではなく、体験させて身をもって刻み込ませる。動いてみせる鶴丸も、言葉に出来るけど言葉にせず見守りに徹した大倶利伽羅も。獅子の子落としを実行していたんじゃないかなあと思います。

日向や浦島が集めた人員を渦中で率いたのは鶴丸でしたし。人間相手に攻め込むと走り出した鶴丸に同行する大倶利伽羅が、旗を一振りしてから走り出すの、なんだか堪らなく好きでした。

絶対、彼らは強くなる。

そこは本当にしんじている。

 

 

 


それでも思うのは、やっぱり「三日月宗近鶴丸国永に任せておけば大丈夫」なんて考えが本丸の共通認識になってしまっているのは、大丈夫なの?という部分で。

以前人から、「独自ルールで成り立つ組織にいるとそれがどんどん普通だと思うようになって、そのルールがおかしいことに気付けなくなる」んだと言われたことがあって、それを思い出してしまいました。

三日月宗近鶴丸国永が白と言うんだからこれは白、なんて思考放棄みたいなこと、本当にそれでいいの?と。

だから、言いたいことは言ってしまって良かったと思うんですよ…松井……。

ラストで浦島は「鶴丸は強いな」とだけ呟きましたが、鶴丸は強いという理解とは別の、自身の感情は零さなくて大丈夫なのかと、不安にすらなりました。

吐露しないことで理解してみせることで、色んな意味で自身は更に成長するかもしれない。けれどより良い本丸にしていくためには、今回の出陣で抱いた思いや要望なんかは、吐き出したほうが良いんじゃないかと思ってしまうんですよね…。みんなで作っていけたら良いじゃん本丸…。だめなのかなあ。

このままでも良いと判断してるのかもしれないけど、審神者や三日月、鶴丸はこの本丸をどうしたいんだろう。


システムとしての三日月宗近というものが、未だに自分のなかであやふやで。

一回、神様寄りなのかな、というところで落ち着いてみせていたんですけどね、自分のなかで。

システムとしての三日月宗近を、役割を負った命を選んですくい上げていると言う、鶴丸の海へ向けた叫びは、個人的に、分かる…となるものでした。わかる…(ここで言う分かる、は発言内容と近しいものを私が感じたことがある、という方向です)

分かるけど、だからって鶴丸もひとりでやることなくない?となるんですよ。本丸にはたくさんの仲間がいるんだから。

もちろん三日月宗近も。

みんなそろそろ腹割ってぶつかればいいのに。話し合わないかな。思うことがある刀はふた振だけじゃないわけだし。


ところで今回の出陣。出陣先。

今回の出陣先って「時間遡行軍が現れた」時間軸だからなのか、それとも「三日月宗近が干渉した存在がいる」時間軸だからなのか、どちらなんだろうってぼんやり思っていたりします。(これだけの出来事に対し時間遡行軍の介入が少なかったこと、審神者が言葉少なに地名しか言わなかったことが引っかかっています)

 


余談なんですけど、鶴丸に結局何も言えずに背を向けて歩き去る松井の、袖に捌けてもすぐに足を止めずそのまま歩み進めていっていたところ、個人的にすごく嬉しかったです。奥の壁あたりとかまで行ってくれていたんだろうか。

長く響く足音をずっと聴いていた。その静寂があった、あの間が好きでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

というか。

せっかくの刀ミュなので、ライブの話。(Free Styleから泣いててそれどころではなかったので簡単に)

一幕を結構引きずっていた女だったので、誰のペンライトを振るのか全く決められないまま始まった二幕。右回りの順番は覚えて行ったのに手が左のボタンを押すせいでちょっと混乱した二幕。

始めの仮面、引き戸板を使った演出。私ああいうの大好きなんですよね…………。あっ好きなやつ…と、そこで随分引き込まれました。

松井のダンスも好きだった。ダンス見るの好きなんですよね。松井のダンスから、ライブを見ているって気持ちに切り替わったと思います。

そして実は購入したランブロで先に見ていたので、豊前の第三形態?あれを目の当たりにしてもあ〜これね〜て思うくらいで済んでいたんですけど、太鼓の時、ちょっと絵になりすぎて目が止まってしまいましたよね…。あれはとても綺麗だった…。

誰よりも歌声に視線を引っ張られたのは大倶利伽羅でした。別のところを見ていても、声に引き寄せられてしまった。最高かな。

日向と浦島のダブルタッチには驚きました。全部決まって良かったし応援し合っているのもとても良かった…。日向の遠くからでも分かるくっきりとした笑顔にすごく癒されました。浦島が結構キレのある踊りをしていて、あの、何度か腕を振り上げながらぐんって力の入ったジャンプ(語彙力と知識がない)をするじゃないですか。あそこの力強さを見ていたら、上記の諸々のスイッチがね、入っていったわけですよ…。

そして私を一幕の頭にもどした鶴丸国永。

一幕で見せた舞も、その音との合わせ方、体の動かし方、本当にすごかったんですよね、彼。

二幕はほんと、歌や踊りの様々に目を奪われる前に、まず鶴丸国永という存在を強く感じさせられました。おかげで2020年から今この瞬間までの諸々や一幕のあれそれを思い返すに至ったのですが。一番のスイッチでした。鶴丸国永。

あと何より戦うモノの鎮魂歌が人間たちに歌われたことが本当に衝撃で…。でも、ここにあるべきだなと思わされました。狂気すら覗かせる者もいるなか、血を流させ流し斃れた人々。為すべきことをやりったと、憑き物が落ちたように穏やかに楽しそうに笑う姿が一幕の最後に描かれていて、良かったなあと改めて思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて。

この物語を浴びたら、見返したい刀ミュ作品がどんどん出てきました。

見ずに残していた東京心覚も。

どれから見ようか。楽しみです。

 

 

 

 

 

…………………次、なに見ようかなあと思っていたんですけど、今までの作品傾向だと、パライソでは描かれなかった物部と交わる部隊の出陣が、今後描かれる可能性は非常に高いわけなんですよね。

そこに三日月宗近がいたらどうしようね…。

静かの海が月にあるなら、その裏側もまた月なわけじゃないですか。

なんて。

思うだけ。

 

鶴丸国永と三日月宗近の共演、楽しみにしています。

食い気味の「しゃくらせえ」最高だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

映画「ヤクザと家族 The Family」鑑賞後の殴り書き

 

 

吐き出さずにはいられなかったので投下します。

ネタバレばかりですのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

「ヤクザと家族 The Family」

鑑賞しました。

終わった瞬間思わず拍手しそうになった。

テーマ曲の「FAMILIA」があまりにも衝撃的で、素晴らしくて。そこで泣きそうになったのは耐えたのに、退館しようと歩いていたら色々と込み上げてきてしまって急遽手洗いに駆け込んで大泣きました。

 


なんでしょうね。とても好きです。

 


山本は柴咲や中村を敬愛して、組を、家族を、縁を持った人々を愛する。そこにはヤクザとそれ以外の人々、なんて境界線は存在しなくて。だけど山本の言う通り、"そっち"側で生きる人たちはヤクザとそれ以外を線引きしてしまう。

そんな現実があまりにもリアルで、自分の無知さも突きつけられるようでした。ヤクザを取り巻く法や制度のことを何ひとつ知らずにきてしまっていた。"あちら"側として線引いてしまっていたんだと、改めて思わされました。

作中で勉強をするシーンがある登場人物って、黒を着ないんですよね。由香や彩、翼は最後までヤクザの世界には来なかった。山本も組に入る前は真っ白だったけど、組に属して黒を身にまとう。真っ白な服装のなかで目立つ柄シャツは、その後身体に刻み込む刺青を思わせる存在感で。そんなところをふと気にしたりしつつ。エンドロールを追いながら、また観よう、と思いました。し、正直翌週にもまた映画館に足を運んでいました。

山本に与えられた愛と、山本が与えた愛の形を覚えていたくて。

 

柴咲から向けてもらった温かい触れ合いを、山本は真っ直ぐに受け止めて人に渡すじゃないですか。頭を撫でたり、左肩に触れてから強く抱きしめたり。

個人的な話なんですけど、柴咲の「えらく頑張ったらしいな」はとにかく、本当に震えました。この人はあの出来事を頑張ったって言ってくれるのか、って。山本と同じことを本当に思った。そう思ってしまえるほど、あの言葉は胸にあたたかく響いてたまりませんでした。色々とお話は耳にしていましたから、それがアドリブだったって知っています。もう、アドリブという言葉の意味を見失いました。

あと中村からの学びも、確かに山本にとっては大事だったんだよなって。兄弟でしたよね、あのふたり。切ないけれどあの夜中の兄弟喧嘩の泥臭さがどうにも好きです。

自分が手を汚す前にナイフを突き刺した中村の姿を見ていた山本は、翼が加藤に近づく前に殴り込む。中村からもらった愛の形をそのまま翼にしてやってるんだろうなあと思って。だって柴咲と同じ愛し方労り方をする山本ですもん、翼が加藤に接近した時にはそんな気がしましたし、親父殺したやつ見つけたって言われた時点で確信してしまった。愛してもらったのと同じやり方で愛するんだろうなって。まあ中村からしたら格好付けたかった場面だったんでしょうけど。でも思い遣ってくれたのは事実だから。

翼は山本から愛されて、それでもその関係は、傍から見たら赤の他人なんですよ。相関図的には。だけど山本が中村や柴咲と同じ愛し方を彼にするから、翼と山本の関係もこちらからしたら親子や兄弟に見えてくる。それがすごく好き。親子なのか、兄弟なのか?いいんだよそんなの。家族でいいんだよ、みたいな温かさ。

最後に翼は彩に「お父さんについて教えて」って言われる。その時の翼の、お父さん、とは…?みたいな表情が大好きなんですけど、それ以上にその後の合点がいったような笑顔がとにかく本当に好きで。ケン兄って親だったんかーいっていうのもあるでしょうけど、だけどあの世界で、翼が「敬愛するケン兄」の話が出来る相手ってきっともう誰もいなかったんですよ。それを含めての、あの笑顔だったんじゃないかなあって思ってしまいます。

次世代、を象徴するふたりの出会い。また新たな始まりの気配が、終わりの切なさを明るく映すようで。本当に大好きなラストシーンです。翼なら大丈夫。彩なら大丈夫。そう、信じています。

翼の瞳、好きなんですよね。

伺い見ることをするじゃないですか、翼って。会ったほうがいいと思うって言ってから、どう思う?って感じで目を向けるシーンがあるんですけど、その寄り添うような目の動きが本当に好き。ラストシーンもそうですけど、それだけでなく彼はすごく瞳が印象的でした。優しいの。磯村勇斗さんをこの映画で初めて知ったんですけど、本当に引き込まれました。惹かれたといってもいいくらい。

翼と彩は、どんな話をするんでしょう。

翼から山本の話を聞けば聞くほど、翼のこと以上に山本は彩を愛してくれたはずだって、信じられてしまうんだろうな。だってあの山本だもの。山本に愛された翼の言葉だもの。なんて、夢を見てしまいます。

お父さんが山本であると彩に伝えてくれた由香も、お父さんが彼だと受け入れて寄り添い知ろうとしてくれる彩も、強い人たちだなあって尊敬してしまう。

 


離れようとされていても近付いてしまうし

近寄ってきた家族を突き放すことができない

 


それは大事だから、愛しているから傍にいたいし、いて欲しいっていう想いなんですよね、きっと。だけど相手のことを思えば傍にいないことの方がいいんだって突きつけられる。その現実も覚悟も全部、柴咲が山本に教えてくれる。教えられたから知って、山本も行動に繋げられた部分もあるのかなとも、思うんですけど。そこに踏ん切るまでの柴咲の不器用さみたいなのもね、切ないけど大好きですよ、ほんと。たまらないですよね

沢山与えられて、与えられたものを別の人にしっかり与えて。繰り返しながら、作中でやっと、たった一度、山本の口から「愛してる」が言葉として出てくる。役者の方々がこの作品を「愛」だと表現されていたから、そこにあるものは愛だと信じて、いや愛であると思いっきり引っ張られてしまっていますけど、山本は「愛してる」を口にするまで、自分の中にある感情が「愛」であると名付けられていなかったんじゃないか、とも思うんです。

だってあんなに愛おしげに笑うんですよ。細野抱きしめて、顔寄せて、愛しかないって顔で笑うんですよ。柴咲にも由香にもそんな笑顔を見せてこなかった男が、「愛してる」を言い残して翼がちゃんとした道に戻れるように先回りしてみんなから離れて独りになった後、さいごに会えた家族のひとりに。

 


嫌だなあって思ってしまったんです。

こんなに愛を身に纏える人がどうしてここで終わってしまうのかって。本当に嫌で泣いてしまう。結末に不満とかいう話ではないんです全然。知らないうちに世界が変わっていて、当たり前だったことが通用しない。愛を向けても受け取ってもらえない、返ってこない、気持ちだけ残して自分は独りになると決めなきゃいけない、居場所を無くさなければならない。それがもう全部、私が怖いと思っていることだからかもしれないってだけなんですけど。だって文字打ってて泣けますもん。怖いし嫌です

山本を見ていて、私自身は愛されたことをどれだけ覚えているだろう、どれだけ愛された分を人に与えられているのだろうって、そんなこともふと思ってもしまったんですよ。

自分にとっての、家族とは。

誰の顔が思い浮かぶだろうって、色々と考えさせられてしまいました

 


あと見ていて一番辛くなったのはどこかって話をしたんです。私はもう山本が柴咲組に帰ってきて組一同で食事をするシーン一択でした。だって昔は同じ人数でたくさんの寿司を囲んでいたのに、2019年では重箱の中に惣菜と白米が詰められてるんですよ、白米。そしてこれは肉料理!魚料理!と指させる豪勢な料理が見つけられなかった。柴咲の食欲を加味してのものもあったかとは思いますが、それにしたってだって。時間軸が2019年になってからじわじわ感じていた違和感が目に見えて形にあらわれるようになる、あの食事シーンというかあの食事内容が、個人的には一番胸にきました。

あとSNSで大学の時に由香がめっちゃ好きって言ってた!みたいな呟きが、記憶違いでなければあったと思うんですけど、私そんな当時の由香がほんとにもうとてもかわいく思えてしまって…。当時のそんな由香を想像しては、好き!かわいい!って言いたくなっちゃうんですけど、目の前にある現実は現実なので。そんな、なんで駄目なの…好きじゃいけないの…なんて。気持ちが本当に沈むんですよね。


しんど…

しんどいですよね、この作品。

しんどいんですけど、だからこそ描かれる想いの数々がたまらなく愛おしく感じられてしまって。


また観に行こう、と思います。

どうしたって好きなんです。この作品が、心から。

 

 

 

 

 

 

 


とか、なんとか。言いながら。

そろそろ覚悟は出来たでしょうか。

 

 

 

millennium paradeの「FAMILIA」MVを、見に行く

 

 

 

 

 

それでは